スマートフォンは、私たちの日常生活への関わり方を変え始めています。ほんの数年前までは、世界中の携帯電話の中でまだ少数派でしたが、すでに私たちの日常生活への関わり方を変え始めているのです。今日、スマートフォンはより圧倒的な存在感を示しています。2013年第4四半期には、米国の携帯電話加入者の3分の2以上(67%)がスマートフォンを所有するなど、スマートフォンの普及が進んでいるだけでなく、消費者の携帯電話の使い方は、エンターテインメントやソーシャルメディアなどのスクリーンタイムの増加に急速に移行しつつあります。
バルセロナで開催されるMobile World Congressを前に、米国、英国、イタリア、日本、そして世界中の市場から、スマートフォンを使った消費者行動を測定するニールセン独自のオプトイン・パネルのオンデバイス・メーターを用いて、モバイル事情を俯瞰的に分析しました。
しかし、伸びているのはスマートフォンの普及率だけではありません。米国、英国、イタリアでは、スマートフォンの利用時間がパソコンのウェブ利用時間を上回っています。2013年12月にアメリカ人がスマートフォンのアプリやモバイルウェブを利用した時間は34時間で、2012年12月から6時間増加しました。イギリス人は、2013年12月になんと41時間もスマートフォンを使っていました。ニールセンについて そしてイタリア人は、12月にスマートフォンを利用した時間が、PCでウェブにアクセスした時間(18時間)の2倍(37時間)でした。
2013年12月のプラットフォーム別一人当たりの平均滞在時間
米国 | 英国 | イタリア | |
---|---|---|---|
月間テレビ視聴時間 | 185時間 | 129時間54分 | 143時間20分 |
月間オンライン利用時間 | 26時間58分 | 29時間14分 | 18時間7分 |
月間モバイル利用時間 | 34時間21分 | 41時間42分 | 37時間12分 |
出典ニールセン |
消費者は、携帯電話を使用する時間が長くなっただけでなく、携帯電話を手放せなくなり、1日に何度も携帯電話にアクセスすることが増えているようです。英国のスマートフォンユーザーは、12月中に1日平均9回携帯電話にアクセスし、2013年初頭(1日5.5回)のほぼ2倍の頻度でアクセスしました。一方、米国では、スマートフォン所有者がアプリやモバイルサイトにアクセスする頻度が、2012年12月の1日5回未満から、2013年末には1日平均7回以上へと増加しました。では、どのようなアクティビティが消費者の指をスマートフォンのスクリーンに釘付けにしているのでしょうか。スマートフォンの使用時間の大部分を占めるのはアプリで、エンターテインメントやメディア向けのアプリの使用時間が伸びています。実際、アメリカ人のアプリ使用時間の大半は、ゲーム(18%)、エンターテインメント(15%)、ソーシャルメディア(29%)に費やされています。日本では、スマートフォンの利用時間の半分近くがこれらのアクティビティに費やされており、この世界的な傾向は英国にも及び、スマートフォンの利用時間の4分の1以上(28%)がソーシャルネットワークのアプリに費やされています。
スマートフォンアプリの利用時間のカテゴリー別シェア
米国 | 英国 | 日本 | |
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コミュニケーション | 12% | 9% | 16% |
ショッピング/コマース | 2% | 5% | 6% |
ニュース/インフォメーション | 2% | 5% | 5% |
生産性/機能 | 11% | 7% | 6% |
エンターテインメント | 6% | 15% | 9% |
ゲーム | 9% | 18% | 16% |
ソーシャルメディア | 28% | 29% | 24% |
その他 | 29% | 12% | 17% |
出典ニールセン |
確かに、従来の電話機能は依然として重要であり、米国のAndroidユーザーのスマートフォン利用時間は、テキストメッセージ(スマートフォン総利用時間の9%)、電話のダイヤラー(3%)、アドレス帳(2%)に分かれています。イタリアと日本では、従来の電話機能の利用がAndroidユーザーの利用時間に占める割合はさらに低く、日本のユーザーはテキストメッセージよりもインスタントメッセンジャーアプリ(スマートフォン利用時間全体の7%)に多くの時間を費やしています(図1)。
消費者がどの市場でモバイル機器を利用するかにかかわらず、日々多くのスマートフォンが消費者の手に渡り、消費者がエンターテイメントやメディアアプリに常に接続することが、スマートフォン利用の拡大に繋がっています。
Mobile World Congress 2014では、ニールセンのモバイルエキスパートが、世界の消費者のモバイルリテールやモバイル動画との関わり方に関する洞察を紹介する予定です。