アメリカにおける多文化世帯の急増と、その市場への比類なき影響力を背景に、小売業者は、こうした重要な消費者にアピールする生鮮食品と風味プロファイルをより幅広く取り揃える新たな戦略を検討しなければならない。多様な多文化の味覚プロフィールが融合することで、多くのアメリカ人が新しい料理に触れ、より冒険的な食事への食欲が高まっている。
アメリカのほとんどの家庭は、世界の様々な民族から取り入れた独自の料理嗜好を持つ新しい主流派になりつつある。こうした新しい買い物パターンが、多文化消費者と非ヒスパニック系白人消費者の生鮮食品購入率を高めている。
食肉、青果、シーフード、デリカテッセン、ベーカリーの各カテゴリーにおいて、多文化消費者が生鮮食品の買い物客全体に与える影響力を理解することは、今後数十年にわたって新たな成長機会を活用しようとする小売企業にとって極めて重要である。
多文化層は、クラブで生鮮食品を購入する傾向が強いが、その理由のひとつは、クラブでの大量購入による割引が、多文化層の購入者のニーズや世帯人数の多さに合致しているためである。一部のクラブ店舗は、各店舗の近くに多文化消費者が集中していることをアピールするため、ニールセンについて 、生鮮コーナーで神戸牛やメキシカンカーニタス用の味付け済み豚肉などのエスニック商品を提供したり、店舗センターでエスニック食品の冷凍版を提供したりしている。