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アジア太平洋地域全体で食料雑貨品の売り上げの伸びが鈍化
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アジア太平洋地域全体で食料雑貨品の売り上げの伸びが鈍化

長年にわたり二桁台の力強い成長を記録した後、アジア太平洋地域の日用品の平均売上成長率は2013年には6.7%まで下落し、販売数の伸びは全成長の3%未満に留まった。この収益の鈍化は2014年まで続き、2014年第2四半期の成長率は4.1%、販売数はわずか0.3%でほぼ横ばいとなった。

日用品の売上成長の鈍化は、経済全体の指標や予測が比較的良好であり続けたこの地域ではやや例外的な現象とされた。多くの国で3年間の強力な成長がみられた後、消費の伸び幅もより安定したレベルに落ち着いているとみることもできる。また、多くの国が高いインフレを経験した結果、消費動向に影響を与えたとも考えられる。世帯人数の縮小、家計の負債額の上昇、テクノロジー製品や非日常品の消費嗜好など、その他の長期的なトレンドも大きく影響している。

昨年度の日用品の売上幅のうち、かなりの割合は、台湾や韓国などの成熟市場およびインドネシアやタイなどの新興市場でコンビニエンスストアや小型スーパーマーケットによる影響が高まったことによる。多くの市場で小型店の人気が高まるにつれて、買い物の平均回数も上昇する傾向がみられる。週単位の買い物が急速に標準的な行動になるにしたがって、これまで多くの消費者の標準とされた月単位の買い物の回数が減少している。

このような傾向の変化に応じて、より求めやすい価格設定と利便性の拡大を通して消費者の基本的な期待に応えることが小売店にとって重要になってくる。店舗内の体験を改善し、時間に余裕のない買い物客の関心を惹くような品ぞろえに重点を置くことが、今後ますます小売店にとって差別化を図り、また、お店との絆を深める重要な要因となっている。

アジア地域全体でみられる9つのトレンド

ニールセンはアジア太平洋地域の小売業界を特徴付ける9つのトレンドを特定した。

• パッケージ(包装)商品の売り上げが鈍化
本レポート*には、13市場のうち12市場において日用品の売上が含まれているが、対象期間の売上高で増収を記録したのは香港のみ。

• 店舗出店の投資額が縮小
過去5年間の平均に比べて昨年は、インド、マレーシア、韓国で店舗の新規出店数が著しく減少した。このトレンドに逆行する現象がみられたのはインドネシアのみ。

• アジアの小売業界は東南アジアに集中
世界の小売プレイヤーの新規投資が大幅に目減りする中、アジア、特に韓国と日本の小売チェーンが東南アジアへの進出を拡大している。

• 小型店舗の増加
小型店舗への投資額が上昇し、買い物客が足繁く利用するようになった結果、アジア市場全域の小型スーパーマーケットとコンビニエンスストアで、パッケージ(包装)商品市場における売上シェアが大きく拡大した。

• 時間に余裕のない買い物客がインスタント食品を選んでいる
持ち帰りができるインスタント食品の消費の増加はベーシックな食料雑貨品の需要にマイナスの影響を与える可能性があるが、小売業者にとってはファストフードの販売において競争の余地が生まれている。

• 小売業者がデジタル市場を拡大し、Eコマースへの投資が増加
小売店のウェブサイトにアクセスする買い物客数はまだ比較的少ないものの、小売業者がインターネットへの進出を拡大し将来的な成長機会を捉えるため、デジタル市場への投資が増加している。

• 商品キャンペーンの強化
競争が増加する市場で小売チェーンが消費者支出内のシェア拡大を狙おうと、さらに多くの商品キャンペーンが展開されていく。この地域ではニュージーランドの小売店による商品キャンペーンへの投資額が最高だった。

• パーソナルケア製品取扱店の成長
 ドラッグストアやパーソナルケア製品取扱店の週間利用客数が増えたことによりこれらの店舗の日用品市場でのシェアは伸び続ける。

• プライベートブランドが失速
ほとんどのアジア市場で消費者のプライベートブランドへの需要拡大に関して大規模な投資が行われなかったことにより、プライベートブランドの成長が停滞した。一方、オーストラリアではプライベートブランドに対する需要の伸びが引き続きみられた。

*本記事に含まれる洞察(インサイト)は、全13市場の小売業界のトレンドをまとめた2014年度ニールセン・アジア太平洋地域リテール・アンド・ショッパー・トレンド・レポートに基づいています。このレポートでは、マクロ経済の概況、消費者および小売業界のトレンド、今後の動向に関する洞察を含む各市場に関する分析がまとめられています。このレポートに含まれる統計情報には、市場動向に関するデータ、店舗に関連する数値、カテゴリー別のチェーン店の概要が含まれます。このレポートのデータは、ニールセン・コンシューマー・パネル、ニールセン・リテール・インデックス、消費者景況感と消費意向に関する調査を含むニールセングローバル調査、Eコマースに関するグローバル調査より引用しています。
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