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超・常識: 障壁を乗り越え1ランク上のトレード・プロモーション効果を
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超・常識: 障壁を乗り越え1ランク上のトレード・プロモーション効果を

どうしたらもっと効果的になるだろう、もっと分かり易くブランドと結び付けて売上を向上させるにはどうすれば良いのだろう云々・・・効果の程はさておき、広告宣伝のため毎年膨大な量のインクが浪費されている。これに比べて、トレード・プロモーション(流通業者に向けたプロモーション)への出費にはあまり注意が向けられていない。しかしながら、流通向けの出費は平均的な消費材メーカーの経費の2倍を上回っており――広告宣伝費が売上の7.5%に過ぎないのに対し、販促費は19%にのぼる――帳簿の費目では売上原価に続き第2位の座にある(広告宣伝費は第4位)。
 
結果として、しばしば売上管理とも呼ばれるトレード・プロモーションの管理は比較的未成熟な状態にとどまっている。付表1は一般的な消費材メーカーの投資収益率(ROI)に対する売上の増加分をマッピングしたものだが、結果が大変ばらついており、また平均投資収益率が僅か11.2%であることがわかる。まるまる43%もの販促キャンペーンが赤字を出している。

 

uncommon sense

販促プログラムに満足している顧客が4人中1人にも満たない、というのもうなずける話だ。
 
どうすればこの問題を解決できるだろうか?多数の消費財メーカーとのプロジェクトをもとに、根本的な課題が4つ存在すると我々は考えている。
 
測定に関する課題: 販促効果を測定するのは何故こんなにも難しいのか?考えてみよう:メーカーはトレード・プロモーションにいくら費やしているかは把握しているが、そこからいくらの利益を得ているかはどのように測定するのか?キャンペーン期間中に消費者が何を購入したかに関するデータは社外から得るしかない。もちろん、消費財メーカーは小売販売データにアクセスすることはできる。しかしながら、メーカーは小売データ源ごとに商品IDや計測単位(例えばケース数なのか消費者数なのか)が異なる、という状況に対処せねばならない。大手の消費財メーカーが毎年展開する何万件もの販促キャンペーンにつき逐一小売業者と日程調整を行わねばならない、という問題がこれに加わるので、課題の規模がどれ程であるか何となくお察しいただけるだろう。さらにメーカーは販促キャンペーンがなくともどのみち生じていた売上を販促キャンペーンによる売上の増加分から分けねばならないし、(天候を含む)他の要因も考慮してデータを修正する必要もある。

幸いこの分野も随分進歩してきており、販促活動の最適化及び管理のためのツールで優れたものがあれば、消費財メーカーが小売環境での販促効果を確実に測定したり、同測定結果とコストに関する社内データとを合わせて個々の販促活動につき従来よりもっと明瞭な投資収益率を算出したりすることも比較的容易になっている。
 
戦略的計画策定 vs. 戦術的現実: 考慮すべきはデータとメトリクスだけではない。消費財メーカーの計画・・・と、実際に現場で起こることとの違いも問題になる。大半の消費財メーカーは年に1~2回、価格と販促に関する戦略的な計画策定を行う。多くのメーカーは精巧な予測分析ツールを用いて代替の販促案が市場でどれだけの成果を上げるであろうか見積もった上で「ベスト」な行動指針を決定する。決定内容は小売業者と直接交渉する顧客担当チームに引き継がれ、ここから多くの交渉が始まる――がしかし、この時点で戦略的レベルでの展望と(実際の)顧客担当者とのつながりは既に切れている。時が経過するにつれ、積み重ねられた交渉の総体は往々にして年度初めに本部から下された戦略的計画とは甚だ異なるものと化す。
 
メーカーは本部の戦略的な計画と主要取引先の担当者レベルの戦術的交渉プロセスを一貫させる必要がある――そうすれば戦略的計画の包括的な意図から外れることなく、個々の小売業者との交渉を最適化することができる。
 
販促計画の管理と実行: メーカーの実行する販促プログラムが複数のカテゴリー、小売業者と地域をまたぎ多数に渡ることを踏まえ、販促管理には首尾一貫したアプローチが欠かせない。たとえ土壇場で小売店の気が変わって販促活動の時間や範囲やサポート内容を変更されたとしても、しかるべき製品をしかるべき店舗にしかるべきタイミングで確実に入荷させねばならないのだ。品切れが起きてしまう理由の過半数は価格及び販促管理のまずさが原因である。
 
これがうまく行けば、販促活動の最適化と管理ツールは間違いなくメーカーのサプライチェーンそして財務管理システムとつながるはずだ。
 
管理プロセス: 今日の消費財メーカーは、販促活動の最適化と管理が年に数回数名のアナリストが携わる単発業務にとどまるものではない、というマインドセットを取り入れる必要がある。そうでなければ何も改善されない。組織全体――全てのカテゴリー、小売業者と地域――に首尾一貫したプロセスを浸透させるべく、企業は幅広い層の管理職たちが販促活動の包括的最適化及び実施ができるよう強力かつ一貫したソフトウェアアプリケーションを取り入れねばならない。
 
これは確かに難しいことだ。しかし、流通業者にかける費用がここ10年間で倍近くまで膨らんだこと、そして米国における消費財の2割超が何らかの販促キャンペーンの下で売られていることを踏まえ、トレード・プロモーションについて考えている時間が広告宣伝について考えている時間よりも少ない、という問題は収支の観点からもはや看過出来ないものとなっている。


オリジナル英文記事>>
http://www.nielsen.com/us/en/insights/news/2014/uncommon-sense-overcoming-the-barriers-to-superior-trade-promotion-effectivenes.html