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デジタル広告において様々な角度からリーチを理解することの重要性
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デジタル広告において様々な角度からリーチを理解することの重要性

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近年、デジタル広告においてもブランディング目的の広告が増え、特に、動画広告市場は急速に成長しています。企業の担当者はデジタル広告の予算を確保するために、また、それが自社のマーケティング活動にどの程度貢献したのかの効果を測り、その必要性を数値で証明することが重要です。2018年2月に発表した、「ニールセン デジタルとビデオリサーチインタラクティブ 共同での企業向け調査結果」でも、デジタル広告の予算確保や、各メディア/媒体に割り振るために参考にしている情報については動画再生数などの「目標数値」が65%と最も高くなっていました。また、導入している指標やKPIについては、「動画再生数」(26%)、「リーチ、ターゲットリーチ」(23%)、「クリック数、サイト誘導数」(22%)の順になっていました。「動画再生数」や「クリック数、サイト誘導数」に関しては、データも取得しやすいと思います。しかし、「リーチ、ターゲットリーチ」に関しては、実際に届いたのは誰だったのかなど不透明なこともまだ多いように思えます。そこで、今回のメルマガでは、「リーチ、ターゲットリーチ」の考え方について整理をしていきたいと思います。

デジタル広告において様々な角度からリーチを理解することの重要性


広告の基本的な役割は、「広告メッセージを届け」「消費者の興味、意欲、思考等を刺激し」「行動を喚起すること」です。ニールセンでは、この3つの役割をそれぞれ、Reach(誰に)、Resonance(共感)、Reaction(行動)というフレーム(頭文字をとって3Rとしている)に分解し考えることを推奨しています。この考え方はデジタルでも、もちろん変わりはありません。デジタル上での効果測定としてはブランドリフト(Resonance)までを考慮し、プランニングをしている会社も多いと思います。

そこで今回は、とある食品会社の担当者Aさんになって考えてみます。

「キャンペーンの目的は、スナック菓子の新製品を若年層(20歳から34歳)へ認知させること。タレントを使った動画広告をデジタル上で配信し、目標数値はブランドの認知率 30%とする。」

Aさんは、キャンペーンの目標数値からファネルを作りました。まずは、①母数となる人口を国勢調査から取得し、②ターゲット層の総人口の約1970万人をベースに、その30%である591万人を目標人数として設定しました。③初回なので広告が届いた人の50%がブランドを認知してくれると想定し仮説にて数値を設定し、④人口の60%に広告を届ける必要であると仮定しました。

今回③は仮の数値を設定しましたが、データを蓄積していくことで過去のデータを参考にすることが可能となるでしょう。このように、目標となる数値から逆算したリーチを人数ベースにおきかえファネルを作れば、目標達成までに、どのファネルで問題があったのかを把握することができ次回のプランニングに活用することが可能です。

目標数値が設定できたAさんは、続いてプランニングをするにあたり過去のキャンペーンの計測結果を参考にしようとしましたが、以下の2つの疑問がでてきました。

1)今まで利用していたデータは 本当に「人」ベースのデータなのか

(解説)
広告を届ける対象はあたりまえですが「人」です。つまり、リーチは想定のターゲット(誰に)に広告が届いたのかを、「人」ベースで計測することが重要です。しかし、デジタルにおいては、媒体によってcookieベースのユニークブラウザ数など、それぞれの媒体で計測指標が異なっています。仮に媒体間で指標をそろえても、媒体間の重複人数が集計できません。そこで、アンケート等で広告が届いた人数を推定している企業もあると思いますが、リーチではなく、記憶ベースの広告の想起人数となってしまう点は注意が必要です。

(対策)
媒体を横並びで評価できる第3者の調査機関が、「人」ベースで集計したデータを利用することが重要です。

2)目標達成には、どのメディアにいくらの広告を投資すればよいか

(解説)
リーチすべき人数がわかったとしても、広告の取引はインプレッション数で取引されることが多いため、581万人にリーチするには何インプレッションが必要なのかの算出が必要となります。また、メディアAとメディアBで同じインプレッションを配信したとして同じ人数にリーチするとは限りません。フリークエンシーキャップのかけられないメディアでは高フリークエンシーになりリーチする人数は減る可能性が高いし、逆にキャップを1回に設定すればフリークエンシー=リーチする人数になります。

(対策)
メディアを横並びで評価できるリーチカーブが必要となってきます。また、媒体間の重複データもあると良いでしょう。リーチカーブはインプレションごとにリーチできる人数を算出することで作成することができます。各企業ごとに配信方法やメディアがことなりますので、それぞれの目的やプランニングに応じた対応をするため、継続的に計測を行って自社にデータをためていくことが重要です。

さて、Aさんは初回ということもあり、いくつか仮説にて数値を設定し、キャンペーンは無事に終了しました。次に重要なことは、キャンペーンが成功したのか、各KPIを達成したのか、効果測定により成功要因や失敗の原因を特定し次回以降のプランニングに活かすことです。

目標人数にリーチすることはできたのか
最終的には、20-34歳の591万人がその菓子を認知することがキャンペーンの目的となりますが、最初にどの数値を評価すればよいでしょうか。広告が届いた量と、その広告が認知されたのかクリエイティブ等の質の問題を切り分けて考えます。まずはファネルの上部から広告のリーチが目標に達していたのかを評価していきます。その後に、ブランディング指標(認知率)を評価し、リーチとかけあわせることで認知者の算出が可能になります。そこで、以下では最初のステップであるリーチ計測にフォーカスをあてていきたいと思います。リーチを獲得するために、気を付けなくてはいけないことや、達成した/しなかった原因を探るためにはどのような視点でリーチを見ていけばよいでしょうか。

Aさんは、ニールセンのリーチ計測ツールであるニールセン デジタル広告視聴率を使用し、リーチを可視化することにしました(数値はダミーとなりますが実際にあった例を元にしています)。
それによると、のべ人数ではほぼ目標の1200万人に到達していたのに対し、ユニークリーチ人数では890万人と、目標よりも35%下回っていました。これは、メディア間での重複があったためでした。今後同じようなキャンペーンを行うときにはメディア間での重複がどの程度発生するかを考慮してプランニングをする必要もありそうです。

広告が届いた性年代に偏りがないか
Aさんが次に見たのは、メディアごとのターゲットへの配信状況です。以下は、リーチシェア(広告が届いた全人口を母数にしたときの各年代の構成比)と、性年代ごとのフリークエンシーをメディアごとに表示したグラフとなります。

今回は、以下にような知見が得られました。

・20-34歳男女をターゲティングし配信したが、男女が均等に配信されるわけではない
 (メディアA:ターゲットリーチ男性39%、女性26%)
・メディアによって20-34歳以外のリーチが高い場合もある 
 (メディアB:リーチした人数の62%はターゲット以外の年齢)
・年代でフリークエンシーのばらつきが出ている
 (メディアA,B:男女とも21-24歳のフリークエンシーが高い)

上記の結果になる原因として考えられるのは、そのメディアのユーザー特性やメディア側の広告の配信のアルゴリズム、競合の出稿状態、広告の在庫状況の違いなどが考えられます。

このように、リーチを計測するだけでも様々な状況が可視化されてきました。それにより、KPIの1つであるリーチ指標を達成した/しなかった原因を探ることができ、より効率よく広告を配信するためにどうすればよいかの対策を立てることができます。対策の取り方としては、例えば、男女均等になるように広告の買い付け方法を変えるなど、広告主側で対応できるケースと、広告の配信の仕方をメディア側に調整してもらわなければならないケースの2通りがあります。可視化された課題を「広告主側」「メディア側」「共同で取り組むべきもの」「コントロールできないもの」と分けることで責任の所在がはっきりし、広告が消費者に届くより良い仕組みを作ることができます。

継続し計測していくことが大事
今回はリーチを様々な角度から評価した場合について述べてきましたが、ここにインプレション単価を掛け合わせることでターゲット獲得単価を計算することも可能です。それにより、次回のデジタル広告の予算確保時に詳細な計画を立てることが可能となります。

そして、これらの結果をデータとして蓄積して活用していくことが重要となります。キャンペーンの成果を測定することを可能にするだけでなく、今後、プランニングの精度を高め、効率よく広告を運用できる環境を整えていくことが可能です。
「人」ベースであれば、その指標を他の部門や、他のキャンペーン、オンオフどちらでも共通指標として設定できます。キャンペーンの計測として最初にリーチを測ることは必須となるでしょう。

認知などのブランディングの指標については次回以降のメルマガで継続しご紹介していきます。

ニールセンのリーチ計測ツール DARはこちら