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デジタルコミュニケーションが進む未来
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デジタルコミュニケーションが進む未来

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2017年10月から大手広告主各社とニールセン デジタル株式会社で実施してきた「デジタル広告におけるリーチ指標利活用研究会」の研究成果を先月、発表いたしました(発表内容はこちら)。その中では、第三者機関の計測指標を活用し、「人」ベースでメディアのリーチ効果を正確に把握し、各メディアのターゲティング精度やリーチカーブなどのナレッジを社内で蓄積することで様々な効果改善を図っていくことが可能であることが分かりました。その一方で、簡単には改善ができない課題が存在することも明らかになりました。

今回はその課題について考えることで、今後のデジタルコミュニケーションが進んでいく未来について考えてみたいと思います。

デジタルコミュニケーションが進む未来

■消費者のメディア消費トレンドの変化の速さによる、デジタルコミュニケーションにおける課題
研究会に参加いただいた広告主からは、いくつかの課題に対する意見があがってきましたが、その中に今後のデジタルコミュニケーションの方向性について考える上で、重要な意見がありました。それは、「せっかくデータを蓄積しても活かしきれない可能性がある」という意見でした。理由としては、以下のような声があがっていました。
「各メディアの利用者は日々変化しているから、蓄積したデータが半年後、来年も参考になるのか?」
「キャンペーンごとに目的が異なるので、過去の情報をそのまま活用できないことが多い」
「キャンペーンが終わってから検証して、改善したのでは遅い」

今回の研究会では「リーチ」をテーマとして扱っていましたが、こういった課題は「リーチ」に限らず、弊社で広告の効果を考える際に推奨しているフレームワーク「3R」の「キャンペーンが共感されたのか」という視点や「キャンペ��ンが期待した行動をもたらしたのか」という視点の全てに関わる課題といえます(「3R」については、こちらをご参照ください)。このような課題が出てくる背景としては、消費者のメディア消費トレンドの変化が非常に速いということがあげられます。特に若年層は、次々と新しいメディアを利用して情報を収集したり、エンタメコンテンツを視聴するのに時間を費やしています。このような消費者とコミュニケーションを取るために、各企業は変化に対応した施策を実施していく必要性が出てくるため、先にあげたような意見があがってくることになります。

■消費者の動向に合わせて、「高速化」するデジタルコミュニケーション
では、この課題に対応するためにはどのようにすれば良いのか?その答えの一つが、高速PDCAを回していくことです。広告の効果を確認し、問題があれば最適化を図っていくというサイクルをキャンペーンが終わった後に実施するのではなく、キャンペーンを実施している最中にリアルタイムに実施していくという対策です。例えば、女性20~34歳をターゲットとしてデジタル広告を配信していたが、キャンペーン開始から数日後に、実際には他の年代に多く配信されていることがわかれば、不足している年代に効率的にリーチできるメディアへの配信を増やすなどの対応を取る、といった対策です。
こうした対策は、ダイレクトレスポンス目的のデジタル広告の活用では、ABテストなどでクリック率が良いクリエイティブに配信することで実施されてきたことですが、今後はブランディング目的のデジタル広告でも求められてくると考えられます。

ここで1点注意すべきことがあります。それは、PDCAサイクルが高速化してきたとしても、データを蓄積する必要があるという点です。リアルタイムに改善を行っていけばよいとしても、勘でプランニングを行っていたのでは、キャンペーン全体の効率が下がってしまう可能性があります。過去の実績を参考にして、キャンペーンの目的に合わせて、メディアや配信量、配信方法を選択していくことは重要です。また、リアルタイムに改善を図る際にも、最適な行動をとるうえで参考にする情報として、過去の実績値を活用することは重要です。先にあげた例でいうと、女性20~34歳の中でも特に20代前半へのリーチが少なかった場合、蓄積した効果測定データがあれば20代前半に効率的に配信できるメディアを選定することが可能になります。

■多様化するデジタルマーケティングの高速化を実現するには「自動化」がカギになる
時代の流れとして、リアルタイムにキャンペーンの改善を図る高速PDCAは今後ブランディング目的のデジタル広告においても重要になってくるのは確かでしょう。しかし、ここでもう一つの課題が出てきます。それは、現状ではブランディング目的のデジタル広告の効果測定結果を見て、改善を図っていくには運用面で人が動く必要性があることです。それを広告主が自社で行うにせよ、広告会社に依頼するにせよ、人が動く以上は運用コストの増加につながります。キャンペーンの改善が図れるとしても、既存の運用体制を大きく変更するのは簡単ではないでしょう。また、デジタルだからこそ、選択肢としてのメディアの数や配信フォーマットの種類、ターゲティング方法なども多岐に渡っています。その中から最適な選択を瞬時に行っていくことが困難であることは想像に難くないでしょう。

デジタルの登場により様々なデバイス、メディア、フォーマットが登場し、消費者のメディア視聴行動は分散してきました。それに合わせて様々な広告商品が登場しています。また、購買する場所も実店舗だけでなくオンラインでも購入も増えてきており、消費者の購買行動や購買までの情報収集行動も多様化してきています。こうした傾向は今後も進んでいくと考えられるため、マーケターが日々判断すべき要素はさらに複雑化してくることが予想されます。このような状況下で、デジタルマーケティングの高速化を実現するには、必然的に運用業務を自動化することが求められます。自動化にあたっては、近年はAI機能搭載型のマーケティングデータの分析も進んできており、こうした最新テクノロジーの活用が必須になってくると考えられます。ニールセンでも、2017年4月にNielsen Artificial Intelligence (Nielsen AI) という、AI技術を使用したオーディエンスの最適化を自動化するソリューションの提供を開始しています。こうした未来に向けて、広告主としては様々なデータを蓄積していく体制を構築、メディアや配信会社は新しい配信ソリューションの開発、調査会社はあらゆるデータを計測するため体制を整備していく必要があるでしょう。

ニールセン シニアアナリスト 高木 史朗