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新型コロナウイルス海外での影響 ~ 「ポストコロナ」時代の消費者像とは?~
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新型コロナウイルス海外での影響 ~ 「ポストコロナ」時代の消費者像とは?~

新型コロナウイルスの感染拡大により、消費者は、新たな習慣を経験しながら、今までとは違った優先順位に調整することを迫られています。 ニールセンでは、これらの変化を分析するための指標を用いて、消費者が「何を、いつ、行うか」に関して優先順位を調整する実像をモニターし続けています。

感染拡大により、消費者の習慣は再調整され、消費パターンが恒久的に変化する可能性が見えてきています。世界の大部分がロックダウン状態にある中、移動と実店舗へのアクセスが制限され、デジタル接続への依存が拡大しています。日常のこの大混乱を超えて「新しい日常」を生み出していくことが、すべての市場において不可欠となっています。

ニールセンでは、感染拡大の早い段階から、ハンドサニタイザーやマスクなどの商品の売上急増といった当面の現象を超えた考察を行っています。各国で感染の拡大が起こる中、購買習慣の変化が世界各国で似通っていることが明らかになったためです。こうした消費パターンの変化は予測可能なものでした。世界中で消費者は、体温計、賞味期限の長い食品、ビタミン剤といった商品を同じように求めています。

次に、 新型コロナウイルス感染拡大にまつわる消費行動の変化における 6つのフェーズ を特定しました。この「6つのフェーズ」では、緊急用の食料品や日用品の(予測可能な)支出パターンが初期兆候として表れ、それらのパターンが複数の市場で似通っていることが確認されています。

多くの場合、支出の変化の背景として共通するのは、公衆衛生に関する発表や政府の記者会見などの報道でした。これらのマーカーポイントを感染拡大の状況とつなげることで、消費財メーカーと小売企業がサプライチェーンの維持において直面する課題に対応するための一連の指標を導き出すことが可能となりました。

現在、「フェーズ6:新しい日常」にある中国市場を世界中が注目しています。数週間にわたった「強制的制限」下での生活が終了し、消費者は以前の暮らしに戻ろうとするのですが、一方で、感染拡大の第二波やワクチンの完成時期などの懸念が消えることはありません。企業にとっては、この「新しい消費の時代」にいかに対応するかが大変重要になります。

感染拡大によって何百万もの人々が職を失っているという現状も重要な要因です。変化を続けるダイナミクスの影響下にあって企業は、困難な経済環境であっても売上を維持する方法を見つけ出さなければなりません。

ニールセンでは、世界中の何千もの小売業者や消費者に対して調査を実施しており、消費マインドと販売データを分析した結果、次の重要な3つのポイントが浮かび上がっています。これらは、先述の6つのフェーズに対する加速要因であると言えます。これらの加速要因は、「市場が6つのフェーズを通過していく中での消費者の需要の変化」という文脈において理解することが大切です。

Three accelerators intersect consumer behavior thresholds

一つ目は、最先端テクノロジーです。自宅などでリートワークをする多数の人々が、この新しい習慣を日々浸透させています。さらに、今までよりも大きな緊急性などによって消費者は、ショッピングなどの日常的なタスクを支援するテクノロジーをより積極的に取り入れるようになっています。テクノロジーを活用する企業は、変化する消費者の需要にオンラインで対応し、直販サービスなどを通じてシームレスな相互作用を可能にし、例えば拡張現実(AR)と仮想現実(VR)で消費者体験を強化することにより、感染症にまつわる懸念が収まった後も消費者のロイヤルティを獲得し続けることができるでしょう。

小売企業はオンラインでの売り上げが急激に増加する可能性に備える必要があります。ニールセンがeコマースがすでに浸透している中国で10,000の小売企業に調査したところ、67%の企業が迅速に大規模な投資を行う必要があると考えていることが分かりました。ほとんどの市場がオンライン市場の成熟度では中国をが先進的な位置にあると言えるため、中国の現状から、他の市場でもニーズがさらに高まることが予測できます。投資の準備をしておけば、十分意味のあるビジネスに育つとは考えられますが、実店舗とそれほど利益率は変わらない可能性があります。

消費者のニーズが拡大している領域として、製品の有効性と品質保証が挙げられます。 つまり、消費者が衛生を保つための洗剤類や、食品など、商品安全基準と有効性について具体的で根拠のある保証を求めている傾向がつよまっていることが明らかになっています。

短期的には、激増する需要を前に、メーカー、小売企業、その他関連企業は、自社製品とサプライチェーンの信頼性について、消費者に対し明確に伝える必要が出てきます。長期的には、新型コロナウイルスの感染拡大が消費市場に及ぼす影響の最終的な規模に応じて、ショッパーが評価する方法や、ショッパーにとってのメリットなどの主要因を早急に見直す必要があるでしょう。

ショッパーはこれまで以上に、原料から工場、流通に至るまでサプライチェーンについて透明性を持って理解したいと考えており、安全を保証するために講じられる対策の詳細を知りたがっています。 例えば、メーカーや小売企業は、商品の生産地を伝達することで消費者の懸念を和らげるなどのアイディアが考えられます。 ニールセンの調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大以前からすでに消費者は生産地を重視しており、世界の消費者の11%が国内で製造された製品のみを購入、54%が「主に」地元の製品を購入すると答えています。この傾向がさらに加速する可能性があると言えます。

消費者がメディアの視聴方法を再考していることも重要な要因となります。各地でのロックダウンにより、視聴者のスクリーンに表示されるコンテンツは大きく変化しています。スポーツの生放送がなくなれば、スポーツファンは他の番組を見ることを余儀なくされます。この変化の広告主への影響は言うまでもなく重大です。広告主もオーディエンスと共に変化の最中にあるのです。

世界規模で未曾有の事態が起こっているため、ここで述べた以外にも多くのことが顕在化すると考えられますが、緊急事態が日常になるに従って、これらの傾向がますます現実になっていくのは確かであると言えます。

この記事は、Research Worldに 掲載されました 。