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オーディエンスの共感を得るインクルーシブなコンテンツによりブランドオーナーシップを共有
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オーディエンスの共感を得るインクルーシブなコンテンツによりブランドオーナーシップを共有

現代の消費者は様々なメディアを通じて自らが関与するブランドに対し、一貫性と信頼性を求める傾向にあります。これはブランドが提供する商品やサービスだけではなく、ブランドが発信するメッセージや行動にもあてはまります。

メディア業界では現在、インクルージョン(社会的な一体性)が最も注目を集めていますが、多くのブランドにとって、インクルージョンは未知の領域です。結果を出しているブランドは自分たちがどのようにインクルージョンを支持しているかを消費者に伝えるだけでなく、行動を起こすことでそのコミットメントを示しています。人口が多様化し、パーソナライゼーションの重要性が高まる中、ブランドはオーナーシップを消費者と共有してインクルージョンに対応する必要があります。

性別、肌の色、年齢を問わず、全てのアイデンティティグループにとって、自らが表現すること、もしくは描写されていることは重要です。マスメディアは、パーソナライズされたメッセージを発信する能力に欠けていると言われることもありますが、効果的な長期的マーケティング戦略の鍵を握っています。多くのアイデンティティグループにとって、テレビスクリーンにおける自らの表現・描写は全体的に少ない傾向にあります。女性を例に挙げると、女性は今や米国の総人口の半分以上を占めていますが、スクリーン上での表現・描写は男性を大幅に下回っています(男性 62% に対し、女性 38%)。女性の中での一部のセグメント、特に50歳以上の女性はスクリーン上で軽視されており、50歳以上の女性が自らのアイデンティティグループが表現・描写されているテレビ番組を視聴する機会は60%低くなっています。 

アイデンティティグループの表現・描写はテレビ番組のみならず、広告のクリエウティブにおいても気を付けるべきポイントです。広告に関して言えば、あまり取り上げられない、マイナーなアイデンティティグループ、特に50歳以上の女性にリーチしたいブランドにとっては、チャンスが存在します。昨年、50歳以上の女性が消費財の合計25カテゴリーへの年間支出金額は約 8億ドルで、18歳から34歳の女性の同金額は6億800万ドル、35歳から49歳の女性は6億8000万ドルに比べても大きな金額になっています。ニールセンの分析では、消費者が自らのアイデンティティグループを起用した広告を出しているブランドの商品を購入する傾向があり、インクルージョンは効果的な広告投資には欠かせないと言えます。

多様なオーディエンスは、自らを反映した人物がスクリーンに登場することを期待しています。ニールセンが 2021年5月に実施した調査によると、成人18歳から24歳の49.7%、25歳から34歳の51.2% は、自らのアイデンティティグループが登場するコンテンツに関心を持つ傾向が高くなっています。その結果、マイナーなアイデンティティグループに属する消費者は、より自らが表現・描写されているコンテンツを配信するプラットフォームへと移行しています。 

ヒスパニック系を例に取ると、ヒスパニック系が米国総人口に占める割合は18.8%で、米国の人口増に最も貢献しているセグメントです。しかしテレビ番組全体で、ヒスパニック系のスクリーンシェアは僅か5.5%、対してSVODコンテンツのスクリーンシェアはほぼ倍の10.1%です。ヒスパニック系視聴者、特に若いヒスパニック系視聴者はこの事実を認識しています。ラテン系の18歳から34歳までに最も視聴されるSVOD 番組15本の内、40%はラテン系が公平に、または色濃く表現・描写されていました。これに対し、35歳以上のヒスパニック系が最も視聴する番組15本の内、ラテン系の表現・描写は13%でした。

50歳以上の女性、ヒスパニック系の人々、あるいはその他の社会的地位の低い人々とブランドを共有しようとしている場合でも、マーケティング担当者は、オーディエンスがどのように関わっているかを理解し、多様なオーディエンスの代表性を高めるための行動を起こせば、大きな利益を得る機会があります。

マーケティング担当者にとって最大の課題は、対象とするオーディエンスを正しく反映するメッセージの開発です。同時に、発信するメッセージがどのように受け止められるのかを理解し、反応に応じてメッセージを調整して共感を得ることも忘れてはなりません。残念なことに、社会的弱者がコンテンツに登場する場合、その人たちの多面的な生活を反映したキャラクターが登場するとは限りません。例えば、50歳以上の女性は、必ずしも母親的なキャラクターに共感するわけではありませんが、番組や広告ではそのようなキャラクターが中心となりがちで、これでは視聴者の関心を引くことはできません。注目されているという実感がなければ、アイデンティティグループはブランドとオーナーシップを共有することができません。

ブランドが自らの価値を表現し、ますます多様化する視聴者と関わるための新たな方法を模索する中で、スクリーン上のインクルージョンについての検討は、広告戦略の最優先事項であるべきです。同様に、ブランドは、リーチした人々によるコンテンツの受け止め方にも敏感であるべきです。視聴者の多様化が進むにつれ、視聴者とつながるための巨大な機会が増えていきます。今後、ますます多くのブランドが、ターゲットとするオーディエンスとブランドオーナーシップを共有することに注力し、包括的なプログラムに広告費が投資されるようになるでしょう。

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