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サービスカテゴリ内外で競争が激化するアプリ市場の動向を正しく把握することの重要性

0分で読む|ニールセン デジタル・シニアアナリスト 高木史朗|2021年3月

アプリ市場においては、近年、中国の「WeChat」や「Alipay」のように、一つのサービスの中で様々なカテゴリのサービスを利用することがスーパーアプリに注目が集まっています。

そのような中、アプリ市場における競争の激化はすでに始まっています。1年間のアプリの利用個数の変化に注目すると、1ヶ月に1回以上利用されるアプリの数は2020年12月時点で平均30。6個と、昨年から4個減少していました。2019年の段階では、エンターテイメントやE-コマース、ファイナンスなどの大きなサービスカテゴリの中で、TikTokやPayPayなどの消費者にとって新しいタイプのサービスを利用する環境が生まれたことによって、アプリの利用個数が増加していましたが、1年間で減少に転じました。

2020年はCOVID-19の影響により、オンライン動画の視聴やフードデリバリー、オンライン会議システムの利用など、デジタルサービスの利用状況は大きく変化し、アプリの利用状況も影響を受けましたが、アプリの利用個数の減少は、COVID-19による直接的な影響だけではありません。19による直接的な影響だけでは、カテゴリごとの変化を見ると、地図アプリなどを含んでいる「旅行」カテゴリで減少が見られるなどCOVID-19により外出が減少したことによる影響が見られます(1図表)。このようなアプリは、COVID-19が落ち着いて、それ以前のように外出が自由にできる様になると、以前利用していたアプリを再度使い始める可能性が考えられます。

しかし、在宅時間の増加により視聴時間が増加している動画アプリなどを含んでいる「エンターテイメント」カテゴリにおいても、利用するアプリの個数は減少しています。19の影響ではなく、楽しむためという同じ利用目的の動画サービスなどの利用時間が増加したことで、ゲームや音楽アプリの利用機会を奪ったことなどが影響していると考えられます。

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アプリ競争の激化は、成長セグメントのカテゴリにおいても起きています、141万人が利用する規模にまで成長していました、ここ数年での成長に加えて、昨年は感染予防の観点からも注目されたことに後押しされた様子が伺えます。

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アプリ開発企業にとっては、同じカテゴリ内での競争に加えて、今後スーパーアプリの登場によるカテゴリを超えた競争も見据えた戦略の立案が重要になってきます。

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