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短期的な売上増よりも長期的なビジネスの活性化が必要な理由
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短期的な売上増よりも長期的なビジネスの活性化が必要な理由

オンラインが常態化する今日の生活者のライフスタイルにより、マーケティング施策の高度デジタル化が進行しています。消費者はわずか数回のクリックでブランドのオンラインショップにアクセスできるため、Eコマースを展開するブランドは手っ取り早く売上を稼ぐことが可能です。世界を新たなパンデミックが襲い、その結果、Eコマースが爆発的な成長を遂げたことにより、パンデミックがなければユビキタス化するまでに数十年かかったであろうトレンドの浸透が加速しました。過去15カ月に様々な業種で発生した大きな混乱は、短期的な売上を過度に重視するマーケティング施策の欠陥を浮き彫りにしました。それは、長期的なビジネス成長促進施策の軽視です。

コンバージョン指向型マーケティングの到来は、パンデミックに直接起因するものではなく、数年前から注目されていました。昨年、全世界のブランドが広告活動を抑制して予算や利益の確保に走った頃から、販売主導型マーケティングが脚光を浴び始めました。表面上、販売指向は論理的な動きに見えます。ブランドにとって、売上に勝るものはないという考え方ですが、本当にそうでしょうか?

ブランドにとって売上に勝るもの、それは長期的なビジネスの活性化です。勿論、ビジネスを運用する上で売上は欠かせなませんが、既存顧客のエンゲージメントに終始するだけではビジネスは成長しません。その証拠に、ニールセンのAnnual Marketing Report を見ると、顧客獲得は調査対象企業のビジネス規模を問わず、最優先マーケティング目標となっています。しかし現実は、多くの企業のマーケターはブランド構築施策を犠牲にして、短期的な売上獲得施策を優先しています。

予算が少なく、目標ROIの達成が急務である場合、コンバージョン指向型マーケティングは魅力的に映ります。CMOの任期が短くなり、報告サイクルが短くなると、迅速に測定された結果を得ることができるため、これらの信頼できる取り組みをさらに強化したいという願望が生まれ、その魅力はさらに大きくなります。

短期的な成果はさておき、売上の早期達成だけに焦点を当てたマーケティング戦略は、本質的に短絡的と言わざるを得ません。特に、コンバージョンに重点を置いた戦略は、アッパーファネル・マーケティングが成長への最善の道であるとする多くの学術研究に反しています。顧客獲得に関して、エーレンバーグ・バス研究所は、認知度を高めることが新規顧客を獲得するための最良の方法であり、長期的な存続のための主要な要素であると主張しています。また英国の業界団体および専門機関、The Institute of Practitioners in Advertising (IPA)は、Les Binet (レス・ビネー)と Peter Field (ピーター・フィールド)が発表した「長期的および短期的マーケティング施策の最適な比率は60対40」を公式に支持しています。

IPAが支持する比率が正しいかどうかはさておき、マーケティングにはバランスが最も重要ということがポイントです。ブランド構築にかける費用が少なすぎると、消費者の育成が進まず、アクティベーションマーケティングの効果が発揮できなくなります。逆にアクティベーションマーケティングを怠ると、購入を悩んでいるブランドのファンの背中を押すことができません。 さらには、ブランドにとっては、ブランド構築や認知度向上のための努力が、目に見える長期的な効果をもたらすことが重要です。今年度のニールセンAnnual Marketing Reportを作成する上で調査を行った際、調査対象となったマーケターの多くは、ブランド認知の計測を最も重要な計測能力として挙げました。しかし、マーケティング担当者の4分の3以上がブランド認知度測定の重要性を表明しているにもかかわらず、ブランドはこの測定を十分に活用せず、短期的な売上に重点を置いています。売上は重要ですが、マーケターは長期的なブランド構築の効果を維持しつつ、短期的な売上を促進するために、より包括的なアプローチでバランスの取れたマーケティング活動を行う必要があります。

ニールセンが実施した調査によると、認知や検討などのブランド指標スコアが1ポイント向上すると、売上が1%増加するという結果が出ています。重要なことは、アッパーファネルでの取り組みは、消費財に限らず、より効果的な販売活動を促進する一連の付随的な利益を生み出すということです。例えば、ニールセンが最近、ある金融サービス企業のマーケティング活動がどの程度効果的に売上を促進しているかを約20の市場で測定したところ、アッパーファネルのブランド指標とマーケティング効率の間には非常に強い相関関係があることがわかりました(0.73)。

ブランドにとって中心的な顧客をターゲティングし、意味のある形でエンゲージメントを構築することは大切です。しかし効果的なマーケティングを実践するためには、パンデミックが収まらず不安定な現状においても、ミッドおよびローワーファネルでのアクティベーション施策だけでは不十分です。世界が新たな現実に順応する中、マーケターはすぐに結果を出すための施策のみに頼るのではなく、ブランド構築と売上成長の両方を網羅するマーケティングを検討、実施する必要があります。

詳細なインサイトはBrand Resonance white paperをダウンロードしてご覧ください。.