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競合から際立つデジタル広告を出稿するには

0分で読む|ニールセン デジタル アナリスト マ・ピンチュアン|2021年7月

2020年は日本の総広告費が2011年以来、9年ぶりのマイナス成長を示したものの、インターネット広告費は、消費行動のDXが進んでいる中、消費者とのコミュニケーションのためにデジタルメディアを活用した広告主に後押しされ、成長を続けました。日本の広告費インターネット広告媒体費は前年比107.7%、1兆8,912億円になると予測されています(出典:株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社D2C、株式会社電通、株式会社電通デジタルリリース2021年3月10日)。

一方、デジタル広告は出稿する広告主が増えていくにつれ、消費者の関心を引くことが今まで以上に困難になっていくでしょう、例えば、あるブランドが競合と同じデジタルメディアに広告を掲載し、出稿量がその競合より少ない場合、そのブランドの広告が消費者に気づいてもらえずに「埋もれてしまう」リスクが考えられます。

差別化を実現するには、競合の状況を把握することが必要です、まず、出稿量について考えてみましょう。広告プランニングの際に、広告出稿のゴールとして期待される売上高から逆算し、広告接触によって変容を起こさせる消費者の目標人数を決め、さらに広告出稿の最低限の目標リーチを設定し、それを実現するためのインプレッションを計算する方法があります、しかしながら、最低出稿量は出していたにもかかわらず、目標を達成できないケースが出てきます。

  1. 競合の出稿量は把握できているか

広告の世界では、シェア・オブ・ボイス(SOV)という指標を広告出稿量を決める上での判断材料として利用することがあります。これは、広告の絶対量ではなく、同じカテゴリーにおける競合ブランドの出稿量と比較してブランドの広告出稿量を決めるという考え方に基づいています。

対象ブランド広告費/全体広告費=広告費のソフあるいは、自社ブランド出稿量(インプレッション)/全体の出稿量(インプレッション)=出稿量のソフ

マーケティングファネルに沿って考えると、ブランドのソフが高ければ、そのブランドの広告が消費者の目に留まり、消費ブランドを認知してもらい、さらに消費者の間で態度変容を引き起こす可能性も高まると考えられます。

また、広告主はより包括的に消費者とコミュニケーションを取るために、多くの場合はブランドごとに複数の広告フォーマットで複数のメディア、チャンネルに広告出稿します。そのため、実際には競合他社のソフとの奪い合いは、会社レベル、メディアだけでなく、別やカテゴリー別、ブランド別、別デバイス、など粒度の細かいレベルで起こっている場合が多く見られます。

2.競合のクリエイティブを把握するのも重要

競合他社の広告と差別化、消費者の目に止まるには、出稿量だけでなく、クリエイティブの質も重要です。差別化を図るためには、競合他社がどのようなフォーマットで消費者にどのようなメッセージを伝えているのかを知る必要があります。

最後に

前述のように、今後もデジタルで広告出稿するブランドが増えていくことが予測され、デジタル広告のマーケットにおけるソフの争いが一層激しくなるでしょう。ブランドは、常に自社ブランドのカテゴリーにおけるソフの上位ブランドやプレイヤー、および競合他社のクリエイティブを把握することがこれまでにない重要になっています。

また、マーケットは常に変化していくものであり、ブランドは一時的な広告出稿の状況だけでなく、常に粒度の細かいレベルで競合や自社ブランドのカテゴリーにおける広告出稿の状況を広告統計サービスを利用してモニタリングしておくことで、競合の広告の変化や、自社ブランドのカテゴリーに新しく参入してきたプレイヤーの状況をいち早く把握し、自社の広告出稿で適切な対応を取ることができます。

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