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Cookieless時代のマーケターに求められるスキルとは?

0分で読めるシリーズ|ニールセン デジタル シニアアナリスト 高木史朗|2021年9月号

今日のマーケター、特にデジタルメディアを取り扱っているマーケターにとっては、コロナ禍における消費者のメディア消費状況の変化を捉えることは重要です、一方で、変化し続けるプライバシー問題に関わる規制の強化に対応することは重要な課題となっています。

このように環境が変化してきたこと、デジタルに関わるマーケターにとっては、新しい広告の効果測定ツールや新しい広告の配信方法を検討する必要性がでてきた、加えてこれまでどおりユーザーの個人情報に関連したデータを収集できないケースもでてくる。そのため、タグにより収集できるログデータや定量なアンケート調査結果などの様々なデータを組み合わせて、今まで違ったデータセットや方法もとに決定していく必要がでてくる、新しいスキルを身につけることも求められている、そこからのデジタルマーケティングに関わるマーケタースキルとその背景について考えたいと思う、などであったりました。

デジタル識別子に対する規制による影響は既に存在している

まず、改めて現状マーケターが置かれている環境について整理すると、個人情報保護のための法整備は欧州のGDPR、カリフォルニア州におけるCCPAがすでに施行されています。

同じ識別子のユーザーが過去にどのようなサイトを閲覧していたのか特定する。

同一人物であるという判定

このため、自社製品のページへアクセスしてもらったけど、購入に至らなかった人に対して、リターゲティングして購入サイトへ誘導することや、特定のサイトを閲覧していて自社製品の購入の可能性がある人に対してターゲティングして広告を配信することが消費者が増えています。また、それ以外にも、デジタル識別子で同一人物である判定ができない、フリークエンシーキャップをかけていたとしても安心はできない、デジタル識別子が取得できた場合は同じ人に対して適切な接触回数で制御できる、一方でブラウザの制御でサードパーティークが常にリフレッシュされ、またはOSの規制広告主の識別判定ができない場合は一定期間が経ち、まだ広告が配信されない人に認識されるケース

 

今後は新しい技術に対する理解に加えて、マーケティングリサーチのスキルが求められます。

このような環境下でデジタル広告業界に関わるマーケターとしては、「新しい技術などの情報収集」し、「様々なデータを組み合わせて解釈できる」スキルが必要になってくると考えられます。

まず、今までもデジタル業界では、アドネットワークからDSP、DMP、コンテキストターゲティングと新しい技術や方法が常に登場してきました。マーケターとしては、ユーザーの様々なデータを収集する技術や集まったデータを処理するツール、より膨大なデータを活用した配信技術など、新しいテクノロジーを理解していくスキルが求められます。そのため、今起きているデジタル識別子に対する規制についても、これらの問題を解決する新しい手法についての知識を集め、最適なツールや手法を選定していく上では今まで培ってきた知識が応用できる部分があるのです。

しかし、その一方で、先程挙げたような、効果測定が受ける影響においては、単純に新しいツールや計測ベンダーを選定するだけでは解決できない問題があります。その最も大きな原因は、これまでは様々なデータが収集できる環境にあったのですが、今後は、部分的で偏ったデータのみが収集できなくなることがあります、それは、デジタルメディア・広告のエコシステムが変わったのです、これまでのように、タグなどで全件収集可能センサスデータを含む様々なデータが収集できる環境では、PDCAを回していくにあたって、例えばクリック率の高いクリエイティブに配信がかかる、データを細かく読み込むスキルやマーケティングリサーチに対する深い知識がなくても設置されるKPIを改善できる。

デジタル広告業界に関わるマーケターにとっては、今までと比較すると大きな課題が顕在化している状況です、今までも、消費者にとって望ましいコミュニケーションを行って売上につなげていくことが、マーケターにとっての課題です、しかし、これまでは様々なデータが集まるためにKPI指標などのデータに気を取られるばかりで、消費者が広告に接触したときにどのような顔をしているのかを想像することができていない。 今後も変化して考えられるデジタルエコシステムに柔軟に対応していくためにも、デジタルデバイスの向こうにいる消費者のことを理解して、添っていくことが求められています、そのためにも、様々なデータを組み合わせる人の行動や反応などの全体像を読み解き、消費者の共感を得ていく

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