コネクテッドTVからの広告型インターネット動画視聴に着目した消費者とのコミュニケーション
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コネクテッドTVからの広告型インターネット動画視聴に着目した消費者とのコミュニケーション

Naoki Munakata

近年日本においてもインターネットに接続したコネクテッドTV(以下、CTV)の利用が増加し、インターネット動画をテレビ画面で視聴するスタイルが定着しつつあります。マーケティング担当者においても、消費者とコミュニケーションを取る接点としてCTV広告をメディアプランに組み込むことを検討するなど、CTVに注目している方が多いのではないでしょうか。このような状況の中、CTVを活用して今後消費者と効果的にコミュニケーションを取っていくためには、消費者が利用するCTVの視聴サービスの種類や視聴時間などをはじめとした視聴動向を把握することが重要です。

「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アドレポート 2022(Nielsen Video Contents & Ads Report 2022)」によると、テレビ視聴者の全視聴時間のうち、リアルタイム視聴と録画テレビ番組視聴のシェアが最も高く7割程度を占める一方で、インターネット動画視聴は1割程度を占めていました(図表1)。

まだテレビ画面でのインターネット動画の利用が浸透していない印象を受けるかもしれませんが、テレビ画面でインターネット動画を視聴する人に絞ってみると、インターネット動画サービスの視聴時間の割合は既にテレビ画面での全視聴時間のうち3割程度を占めています。テレビ画面からのインターネット動画の視聴時間が今後さらに増加すると、リアルタイム視聴や録画テレビ番組視聴などの視聴時間が減少する可能性があることで、テレビ画面での消費者とコミュニケーションを取る接点が減少することを懸念しているマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。実際に、リアルタイムと録画テレビ番組の視聴時間は、テレビ画面からインターネット動画を視聴しない人では1日あたり134分であるのに対し、インターネット動画を視聴する人は98分と視聴しない人より短くなっています(図表2)。

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一方で、テレビ画面からインターネット動画を視聴する人において、テレビ番組(リアルタイム、録画)と広告型インターネット動画を合わせた「広告が表示される動画」の視聴時間を見ると131分となっていました。つまり、テレビ画面からインターネット動画を視聴しない人のテレビ番組(リアルタイム、録画)の視聴時間134分と大差ないことが分かります。例えば、商品の認知を促すために広告で広くリーチを獲得したい場合に、これまでテレビCMをメインで活用していたのであれば、今後はCTV広告もメディアプランに組み込むことで、テレビCMを補完してコミュニケーションを取ることができると考えられます。

これまでインターネット動画サービスは主に若年層を中心に利用が拡大してきましたが、COVID-19の影響で在宅時間が増加した中、主にスマートフォンで視聴していたインターネット動画を自宅でテレビ画面からも視聴する機会が増えたという人も多いでしょう。特に、もともとインターネット動画の視聴が多い若年層は他の年代よりもテレビ画面からのインターネット動画の視聴が進んでおり、インターネット動画を視聴する人の1日あたりサービス別視聴時間割合を年代別に見ると、34歳以下に加え35-49歳においても広告型インターネット動画が19%を占め、50歳以上の14%よりも高くなっていました。若年層だけに限らず30、40代も含めた広い層に対して、広告型インターネット動画を活用することでコミュニケーションの機会を増やす余地があることがわかります(図表3)。

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テレビ画面からインターネット動画を視聴する人は、視聴しない人と比べてテレビ放送(リアルタイムと録画)の視聴時間が短くなっていますが、広告型インターネット動画を含めたテレビ画面での広告が含まれるコンテンツの視聴時間は大差ありません。また視聴時間割合を年代別に見ると30、40代も含む49歳以下で広告型インターネット動画の割合が高くなっていることから、例えば商品の認知を促す目的の広告など広くリーチを獲得したいときや、若年層・中年層へリーチしたいときには、広告型インターネット動画を選択肢の1つとしてメディアプランに組み込むことが有効であると考えられます。今後さらにCTVの利用が拡大する可能性を考慮すると、継続的にCTVの視聴動向を把握した上でメディアプランを検討していくことが重要です。