テレビとデジタルの広告効果を総合的に把握し、改善していく方法とは
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テレビとデジタルの広告効果を総合的に把握し、改善していく方法とは

Nielsen Digital Shiro Takagi

消費者のメディア視聴が分散化するのにあわせて、消費者とコミュニケーションを取る際にテレビCMとデジタル広告を組み合わせた横断的なメディアプランがよく活用されているでしょう。しかし、これまで多くの企業ではマーケティング担当部署が、デジタルとテレビの担当に分かれていた/いる場合も多く、両方のメディアの効果を一緒に評価し改善を測っていく方法を模索中のマーケティング担当者も多いでしょう。そこで、今回は、テレビCMとデジタル広告を組み合わせて消費者とコミュニケーションを取っていく際に、どのようなデータを基に広告効果を把握し、改善を図っていくことができるのかを紹介いたします。

キャンペーンの目的に合わせて、同一指標でテレビとデジタルの効果を比較する

キャンペーンの改善方法を考える上では、マーケティング担当者はテレビとデジタルでどのような人にリーチしていたのかを把握する必要があります。例えば、テレビとデジタルを組み合わせて活用している企業にとっては、テレビだけではリーチやフリークエンシーが不足している分をデジタルで補うというケースが多いのではないでしょうか。よく伺うケースとしては、テレビを見る機会が少ない人も増えてきているため、テレビではリーチできないターゲットに対して、デジタル広告を活用するという場合があります。また、例えば若年層ではテレビの試聴時間が少なくなってきているため、テレビCMの接触回数が少ないターゲットに対して、デジタル上でエンゲージメントを図っていく場合もあります。

ここで、重要なポイントは、リーチを広げたい場合とフリークエンシーを重ねたい場合のどちらのケースにおいても、最終的に目的としているKPIを達成するために必要な人数に、適切な回数で広告を見てもらうことです。このような効果を評価するために、これまではテレビとデジタルのプロモーションは別部門で、それぞれに確認されてきました。また、テレビとデジタルで測定指標が異なっているために横並びで比較することが難しいケースが多くありました。このような数字を同じ測定指標で比較可能にするには、“人”ベースによる測定が必要です。デバイス単位ではなく、コミュニケーションの中心にいる“人”をベースに効果を測定することで、テレビとデジタルを同じ指標で比較ができるようにしたうえで、それぞれの目的に応じたデータを確認していくことになります。

ターゲットに対して狙い通りリーチし、適切な回数広告を見てもらえたのか?

1. テレビとデジタルの重複リーチを確認する

先程の例で、テレビを見ていない人に対してデジタル広告でリーチしたい場合は、シンプルにテレビCMのみを見た人、デジタル広告のみを見た人、両方の広告を見た人というそれぞれの人数を把握できるようにすることが重要です。結果として、テレビとデジタルを組み合わせてリーチしたいと計画していた目標のリーチ数を達成できていたのかを把握し、達成できていなかった場合はこの結果から改善を図っていくことになります。例えば、デジタルと一言で言っても複数のデバイス、サイトやアプリで広告を出稿することが多いでしょうから、どのメディア/ターゲティング方法が、テレビではリーチできない層に対して効率的にリーチできていたのかを比較することで、次回以降のキャンペーンの改善に活かすことができるでしょう。また、このような数字を全年代で見るだけでなく、ターゲットの性年代でも同様に確認することで、ターゲットに対してより広くリーチするためのナレッジを蓄積していくことができるようになります。

2. テレビとデジタル合わせたフリークエンシーを確認する

テレビCMの接触回数が少ない人に対して、デジタル広告で接触回数を増やしていく場合は、それぞれのメディア上で属性(例えば性年代)ごとのフリークエンシーを把握し、最終的にテレビとデジタルを合わせて、平均何回接触していたのかを把握することが重要です。例えば従来のテレビでは、若い人よりも年配の人のほうが広告を多く見ています。そこで若年層に対してはデジタル上で広告接触のフリークエンシーを高めたい場合を考えてみましょう。このような場合は、各デジタルメディアの年代ごとのフリークエンシーを確認することで、実際にバランスよく接触回数が重ねられていたのか評価し、できていなかった場合は、次回以降メディアの選定や配信設定を変更していくことも可能になります。また、先ほどの例の様に、テレビCMのみ視聴した人、デジタル広告のみ接触した人、両方で接触した人のそれぞれのフリークエンシーを確認することも重要です。両方のメディアで接触した場合に過剰フリークエンシーになっていないか、デジタルのみの接触者でフリークエンシーが不足していないか、といった詳細なデータを確認することで、より消費者に嫌われない、効果的なコミュニケーションの評価が可能になります。

今回ご紹介した分析の視点は、非常にシンプルな事例です。しかし、テレビとデジタルという、広告の出稿方法もターゲティング設定も異なるメディアを活用していく上では、シンプルな軸で、それぞれのメディアで目的としているコミュニケーションを取ることができていたのかを確認することが、どのようなアクションを取るべきかがわかりやすく、実際の改善に繋がります。その際に重要な点は、横並びで比較ができるように同じ基準の“人”ベースの測定指標で評価を行っていくことです。