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EC利用が増加する中でアッパーファネルマーケティングの重要性

1分で読めるシリーズ|ニールセン デジタルシニアスタッフ コヴァリョヴァ・ソフィヤ|2022年1月号掲載

2019年に発生した新型コロナウイルスの流行によって、生活のあらゆる場面でデジタルの活用が定着してきました。ECも日本での流行が始まった2020年以降利用が拡大し、「ニールセンオンラインショッピングレポート2021(Nielsen Online Shopping Report 2021)」によると、インターネット利用者の30%が、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令されて2020年4月月以降、オンラインショップの閲覧や購入が増加していたことがわかりました。マーケティング担当者には、オンライン購入を拡大させるために直接売上につながるコンバージョン目的のマーケティングが魅力的に映るかもしれません。1 ポイント上昇すると、売上が平均1%増加することが分かっています。

EC利用が拡大するのとともに、以下2つの傾向からアッパーネルマーケティングの重要性は今後さらに増していきます。

1.オンラインでは、今まで購入したことのないブランドを購入する割合が高い。

米国の消費財(CPG)市場では、NielsenCommspointによると、実店舗で「過去に購入したことのあるブランド」が購入する割合はわずか4.3%だったのに対し、オンラインでは、12.1%3倍になっていました。日本市場でも同様に、オンラインでは過去に購入したことのあるブランドが購入する傾向が見られました。化粧品が購入した人では13%が過去に購入したことのあるブランドを選択したのに対し、オンライン購入では過去に購入したことのないブランドを購入した人は22%になります。19%では、実店舗の7%と比べてオンライン購入では倍以上になっていました。

実店舗と無限に棚があると言えるオンラインショップで新しいブランドと接するようになると、それまで定期的に購入していたブランドが買わなくなる可能性がでてきます、EC利用の拡大によって実店舗で過ごす時間が少なくなると、その分商品やブランドに触れる機会が減少することになります、その分ブランド・エクイティ構築の機会を失うことを意味します、つまり従来は実店舗で行われていたようなブランド体験をオンラインマーケティング活動で補う必要性が高まっています、消費者には継続的に自社ブランドの購入し続けてもらうためにマーケティング担当者とは、購入商品のニーズが現れた際に真っ先に思いつくされますよう、実際にはアファネルマーケティングを通して認知を得ることができるようになるのです。

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2.実店舗での購入においてもオンラインの重要性が増加

購入場所がオンラインに移行しているだけでなく、実店舗での購入においても、重要な情報源となっているため、化粧品では、実店舗で商品を購入した場合、その商品で認知した人が36%を占める一方で、同程度の34%もの人がオンラインで認知しています。

検討段階においても、実店舗で化粧品や日用品を購入した人の10%前後が、検索サービスやオンラインショップなどのオンラインサービスを活用しています(図表2)。

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さらに、同じ商品のターゲットの属性によって活用されるオンラインプラットフォームも異なることから、マーケティング担当者は自社ターゲットの動向を理解し、使用するプラットフォーム見直すことも重要です。34歳では30%が商品の購入を検討する際にTwitterやYouTubeを活用しているのに対し、35歳以上では検索エンジンやオンラインショップを活用する傾向があります(図表3)つまり、ターゲットが商品を検討する際に異なる情報を求めることになります、ターゲットにアプローチできる適切なプラットフォームを見直す必要があります。

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体験のデジタル化は、実際に商品が購入される場所だけではなく、購入に至るまでのプロセスにも影響を及ぼしています。今までもオンラインショッピングの浸透が進んでいた一方で、新型コロナウイルスの流行によって、その利用は更に加速しました。オンラインで商品を購入する際に、消費者は過去に購入したことのないブランドを選択する可能性が高くなります。

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