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どこに遊休資産が眠っているのか?今後が楽しみなC2C市場
レポート

どこに遊休資産が眠っているのか?今後が楽しみなC2C市場

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2016年2月に当社が発表したリリースによると、2016年1月のスマートフォンからのオークション/フリマサービスの利用者は2,656万人となり、スマートフォンからのインターネット利用者の47%が利用するサービスにまで成長していました。オークション/フリマサービスはConsumer to Consumer (C2C)サービスと呼ばれ、サービス運営者の多くは個人間でモノやサービスを売買し合う際の手数料でビジネスが成り立っています。近年、C2Cサービスはオークション/フリマだけではなくさまざまなサービスがローンチされ話題となっています。そこで今回は、C2Cサービスの現状と今後について考察していきたいと思います。

どこに遊休資産が眠っているのか?今後が楽しみなC2C市場

  • 今なぜC2Cか?

C2C市場が活況な理由のひとつとして、スマートフォンの普及があげられるでしょう。テクノロジーやインターネットの発達により、個人と個人をつなげるプラットフォームが構築されました。支払いのシステムが簡素化され、スマートフォンが1台あればいつでもどこでも誰でも簡単に写真撮影をしてモノを売ったりサービスやスキルを提供したり、それらを購入できるようになったことが躍進の大きな理由と言えそうです。

  • モノの売買だけではない、サービスの提供も盛んに

スマートフォンのアプリを使ったC2Cサービスの成功事例としてよく耳にするのが「Uber(ウーバー)」と「Airbnb(エアビーアンドビー)」です。両サービスを簡単に紹介しますと、ともにアメリカ発のサービスで、「Uber」はタクシーの配車や一般人が自分の空き時間に自家用車を使って他人を運ぶことができるいわゆる白タクを仲介するサービスです。また、「Airbnb」は一般人がホストとして宿泊施設を貸し出す民泊を仲介するサービスで、190ヵ国以上で150万を超える部屋が登録されています。
この2サービスがアメリカ国内でどの程度利用されているのかを見たのが図表1です。日々利用する可能性がある「Uber」と、旅行時などに利用する「Airbnb」では利用者の規模は異なりますが、ともにここ1~2年で急激に利用者数を伸ばしていることが分かります。これらのサービスはモノそのものの販売だけではなく、貸借や無形サービスの提供を仲介する“シェアリング・エコノミー型サービス”と言われています。総務省の「平成27年度版 情報通信白書」によると、グローバル全体で2013年に約150億ドルの市場規模が2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みとの調査結果が発表されています。

日本では民泊は旅館業法の関係上グレーであると言われ、自家用自動車を用いての無資格での営業も違法となっています。しかし民泊については、近年の訪日外国人の増加によるホテル不足や2020年の東京オリンピックを控え、2015年11月から政府内で民泊サービスのあり方に関する検討が開始されています。今後の法整備や規制の緩和がされる可能性もあり、オリンピックで訪日する外国人を取り込めれば、Airbnbに代わり日本発の民泊サービスがグローバルサービスとなるチャンスもあるのではないかと思います。

図表1: アメリカ、UberとAirbnbのスマートフォンアプリからの利用者数推移

Source: Nielsen Mobile NetView アプリからの利用
※Mobile NetViewは18歳以上の男女

  • 他にもたくさんある、注目のC2Cサービス

またアメリカでは、Etsy(エッツィー)が人気のC2Cサービスです。Etsyは2005年からサービスを提供しており、ハンドメイドを中心としたEマーケットプレイスで、2014年の商品総売上は19.3億ドルと発表されています。米Nielsenのデータではスマートフォンからの2016年1月の利用者数は「Commerce & Shopping」カテゴリーで10位の1,546万人で、前年同月比約1.5倍と急速に拡大しています。日本でも2016年に出品者をサポートする「Etsyスタート2016」キャンペーンが始まるなど、今後本格的な普及活動が開始されていくと思われます。日本のハンドメイドEマーケットプレイスでは、GMOペパボ株式会社が運営する「minne(ミンネ)」が2016年2月の月次報告で、2016年2月の月間流通額は前年同月比3.1倍の約6億7千万円となり過去最高額を更新したと発表しています。さまざまなカテゴリーでC2Cサービスが活性化している様子がうかがえます。

さて、日本におけるC2Cの代表的サービスの利用者数を見ると、なんでも売買できる総合型サービスの「ヤフオク!」が最も利用者が多く1,758万人となっています。また「メルカリ」は800万人を超えていますが、「フリル」、「BuyMa(バイマ)」などファッションに絞ったサービス、ハンドメイドの「minne」やチケット売買専門の「チケットキャンプ」などは150万から200万人程度の規模の利用者数となっています(図表2)。

図表2: 日本、代表的なC2Cサービスのスマートフォンからの利用者数 2016年1月

Source: Nielsen Mobile NetView ブラウザおよびアプリからの利用
※Mobile NetViewは18歳以上の男女

C2Cサービスは参加者が多いほどサービスの魅力や利便性が高くなるサービスと言えます。しかし、販売するモノやサービスのカテゴリーを狭めターゲットを絞りコアな層をつかめば、ビジネスとして成立させ売上を伸ばしていける可能性があるといえます。そのためには、定期的に売買をする仕組みづくりや売買のやり取り回数を増やすような施策をとることが必要となってくるでしょう。

人間生活の基本である「衣食住」の観点で見ると、「衣=ファッション」、「住=民泊」とくれば次は「食」。食に関わるサービスはすでにいくつか出ていますが、衛生管理などの問題もありまだ利用人数は少ないようです。しかし、どこに遊休資産が眠っているかといった観点で考えると、例えば作りすぎてしまった料理をシェアするサービスなどが今後人気となるかもしれません。

今後もさまざまなサービスの可能性が考えられるC2Cサービスは注目市場と言えそうです。

(ニールセン シニアアナリスト 今田 智仁)