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デジタルのブランディング広告がもたらす態度変容を明らかにする、ブランドリフト計測とは
レポート

デジタルのブランディング広告がもたらす態度変容を明らかにする、ブランドリフト計測とは

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前回は、デジタル広告が誰に見られているのか、といったリーチ計測についてお話しました。では、デジタル広告を見た人はその広告をどのように捉えているのでしょうか。デジタル広告は見た人にどのような効果をもたらすのでしょうか。今回はデジタル広告がもたらす態度変容(レゾナンス)とその測り方について考えてみたいと思います。
 

デジタルにおけるブランディング広告の効果をどのように設定していますか?

本来、広告はデジタル、リアルにかかわらず企業と消費者とのタッチポイントであり、企業側にとっては何かしらのメッセージを届ける役割があります。TVや新聞では、例えばある地域の日曜日の19時から20時の番組内、日曜日の朝刊の社会面に5段、というように、「枠」に広告を出稿することで、どの程度の人数が見ているのかを推定しメッセージを届けています。また、それを見た人の認知度や購入意向を上げるなど、態度変容を起こすことが広告の価値となっています。現在TVではリーチとフリークエンシーを掛けあわせたGRPで取引が行われています。デジタル広告においても本来は前回記したとおり、まず誰に届いているのかリーチとフリークエンシーを計測することが重要です。しかし、デジタルでは、クリック(コンバージョン)というわかりやすいアクションが容易に測れてしまうため、どのぐらいの人数に届いていたかというよりも、「アクション」に関する指標が効果の有無の基準として重視されがちです。特にダイレクトレスポンス型の広告の場合、ゴールはコンバージョンにつなげることで、アクションを起こさせるような広告に効果があり、アクションを起こさせない広告は効果が低いとみなされています。しかし近年、デジタル媒体でもブランディング広告が盛んになってきました。その背景には、リッチメディア、特に動画の利用の拡大により、企業もそのようなフォーマットを通し多くの情報を伝えられるようになったことなどがあげられるでしょう。ではアクションされなかった広告も含め、ブランディング広告はどのような指標で効果を測っていくことがよいのでしょうか。ブランディング広告の場合も、クリック数を効果の指標として設定してもよいのでしょうか。そのブランディング広告の目的がクリックに限らない消費者の態度変容であるならば、その広告がどう態度変容を起こしたのかを別の指標で計測することが重要ではないでしょうか。  
 

デジタルのブランディング広告の効果測定とは

通常、ブランディング広告の効果測定方法としては、広告の接触者と非接触を比較し、態度変容(ブランドリフト)が起こったかどうかを検証していく方法が使われます。ブランドリフトの測定は認知度や好意度、購入意向などいくつかの指標を設定します(図表1)。広告の接触者と非接触状況の判断は、アンケートで聞く方法や、広告の接触状況を行動履歴(ログ)情報で判断する方法、キャンペーン前(非接触)と、キャンペーン後の接触者を集める方法などがあります。最近では広告バナーの中にアンケートを表示するインバナー方式の調査も行われるようになってきました。アンケートバナーで、広告が数秒表示された後にアンケートをとるか、広告を表示させずにアンケートをとるかで、広告の接触者と非接触者で別々のグループをつくりブランドリフトを比較します。インバナー方式の調査のなかには、結果をほぼリアルタイムで把握することができるものもあり、キャンペーン中でもブランドリフトの値がよいクリエイティブやメディアへ配信を寄せることができるといったメリットもあります。

図表1:ブランドリフトを計測する際の一般的なKPI例

図表1:ブランドリフトを計測する際の一般的なKPI例

では実際に、ブランドリフト値(購入意向)を計測した事例をご紹介します。この事例は2013年8月のキャンペーンで、アマゾンへの広告出稿がブランディングに効果があったのかを、花王株式会社のヘルシアコーヒーの広告を利用し測定しました。同じ商材で、クリエイティブやメッセージを変え、ダイレクトレスポンスを狙ったものと、ブランディング目的のメッセージでそれぞれ「購入意向」を測定したものです(図表2)。

図表2:クリエイティブごとの購入意向ブランドリフト値

図表2:クリエイティブごとの購入意向ブランドリフト値



結果: 広告に接触することで購入意向は上昇し、特に「脂肪を燃やせ」のメッセージングのほうがリフト値は高くなった

ここから、デジタルでも広告を見ることで態度変容が起こっていることがわかりました。またクリエイティブや広告メッセージによってその態度変容の度合いが変わることもわかりました。購入意向などの消費者の心理的要素や態度が潜在的な顧客獲得につながることを考えると、デジタルにおいてもブランディングの効果を態度変容という指標で取得、計測し効果を測っていくことが重要といえるでしょう。

今回はデジタルの広告の態度変容の測定について考えてきました。広告主としては、デジタル広告の目的に合わせた指標を設定することをお勧めします。例えばブランディング広告では、クリック数だけではなく、ブランドリフト値を設定することです。最初は想定や他の事例からKPI値を設定しますが、継続してその効果を測定することで精緻なKPIの設定をすることができます。そして、精緻に設定したKPIに沿ってPDCAをまわして改善を進めていくことで、配信内容や配信先を最適化することができます。まず第一歩としてデジタルの広告の目的に合わせ、ブランドリフト効果を測定してみてはいかがでしょうか。

(ニールセン シニアアナリスト 今田智仁)


※ニールセンのブランドリフト計測サービスは、下記よりご覧いただけます。
ニールセン デジタルブランドエフェクト  (デジタル広告ブランディング効果測定)