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衝動買いショッパーを引き込むための店頭デザイン再構築
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衝動買いショッパーを引き込むための店頭デザイン再構築

新しいリサーチ技術によって、多くのマーケターが長年疑いをかけていた事実がようやく明確となった。ショッパーは、習慣的に買い物をし、彼らが店内で「する」と言っている行動は、実際にはほとんど行っていないということである。実際、店舗での購入決定は習慣的なものであり、買い物時の選び方についての彼らの記憶の正確性は50%未満なのである。

ニールセンが先日行った「カテゴリー別の衝動買い探索調査」では、さまざまなリサーチの新技術を活用し、衝動買いカテゴリの実際のサイズを定量化し、潜在的なショッパーを認識・理解し、店頭衝動買いの増加を促進する商機を突き止めた。アイトラッキング用のめがね、タブレット、バーチャルストアラボ、脳科学などの技術を駆使することによって、ショッパーの記憶に頼らず、従来の手法では入手不可能であった洞察を得ることができる。そのおかげで、店舗でのショッパーの習慣行動を解明し、これらの洞察を用いてより効果的にショッパーとつながるメッセージを開発することができるのである。

全体の規模

今日の小売業界の展望は年々複雑化している。セルフレジ、セルフスキャナー(買い物しながら商品をスキャンして購入するシステム)、オンラインショッピング、クリック&コレクト(オンラインで購入し実店舗で受取)など、これらすべて会計をよりスピーディーに行うためのものであるが、これらのシステムにより店頭衝動買いについての洞察を得てビジネス成長を図ることがますます難しくなることを意味している。それに加え、ほとんどの衝動買い商品は、商品棚で手に取られ、購入後すぐに消費されることが多く、記憶に残らないのである。

もしも「店頭購入」がカテゴリにするとしたら、食料雑貨品カテゴリの上位10位以内にランクインするであろう。スーパーのショッパー10人に8人が店内、3人に1人が店頭で衝動買いをすると答え、買い物かご5つのうち1つに衝動買い商品が入っている。

衝動買いショッパーを理解する

スーパーでの買い物のことをよく覚えているショッパーは少ない。何を買ったか、何時頃だったか、買いだめか日常の買い物か、セルフレジか対人レジか、レジ待ちの列の長さはどのくらいだったか、それらほとんどの詳細な記憶は日々の忙しさの中で消えて行ってしまう。この時間に追われアテンションの低いショッパーの注意を引くのは至難の業である。特に一般的なショッパーはスーパーにおいて各カテゴリの商品棚にて費やす時間は15秒であり、全体の40%未満の商品にしか気づかず、店頭での宣伝マテリアルに注意を向けるのはたった1.6秒で、通常2つの商品でしか価格を比較していないということからなおさらである。

店頭では一般的に2つのタッチポイントがある。レジ列に並び、スキャンし支払をする時であり、今日の店頭デザインはこれを前提にしている。しかし実際はこれら二つのタッポイントを合わせても店頭購入のうち45%しか占めていない。ニールセンのカテゴリー別の衝動買い探索調査によって、ショッパーとつながる3つの未開拓エリアが明らかになった。

1. 店舗に入る時、特に買いだめや急な買い物をするショッパーは、生鮮品コーナーを素通りすることが多い。レジエリアを通って入店することが多く、”逆行入店”向けの店頭ディスプレイを通してつながるチャンスを提供している。

2. 買い物の間、商品通路から見やすい商品を衝動的に手に取ることが多いことから、3メートル離れたところからでも見えるような、視覚的で注意を引くようなディスプレイにする必要がある。

3. 店頭でショッパーとつながる最後のチャンスは、買い物を終え、頭の中で何か買い忘れはないかチェックするその時である。買い物リストの最終確認をし、レジの列に並ぶまでの間に最高のチャンスがあるのだ。

店頭衝動買いを促進するチャンス

脳科学の調査によると、私たちの脳は、視覚が一次性感覚ではあるが、視覚的および聴覚的に1秒間で1100万個もの情報の断片を処理していることが分かっている。しかし私たちの意識下では、1秒間にたった40個の情報断片しか処理ができない。それ以外の断片を脳が無意識に処理するのだが、その”無意識下の情報”が、買い物への考え方、決断、行動を左右するということが調査で明白となっている。商品情報量、色、プロモーション情報の過多によって、ショッパーの脳はすぐに商品通路を歩くことに疲労を感じ、買い物を始めて15~20分ほどで、効率的な処理を停止してしまう。店頭での衝動買いチャンスに焦点を当てるには、ショッパーがリラックスして店頭での買い物に開放的になるよう、障壁をなくすためのディスプレイや商品の陳列を改良することがもっとも重要となる。

・消費者をより引き込むための商品棚を開発する。とがって四角張った棚は好まれない。人の脳は角やとがった先端のない環境に心地よさを感じるため、ショッパーは角が丸い備品により好んで接触するだろう。

・ショッパーの目線の方向に隣接した商品配置は大変重要である。雑誌のディスプレイの上部に衝動買いカテゴリの商品を置くことは、下部に置く商品よりも高い接触率を得ることができる。

・ステップを増やすのではなく、ソリューションの一部になるべき。ショッパーと直接的なつながりを持つことはもちろん重要だが、それを買い物の最終場面で行うことがさらに重要である。ショッパーの邪魔になるのではなく、手助けとなるメッセージングを開発しなければならない。

Develop messaging which helps rather than hinders shoppers

  ・効果的な販売促進用品を利用してショッパーを引き込む。商品の実物があるのだからセールスマテリアルとしての商品の写真は不要だという古い考えは捨て、商品の写真によってショッパーは購買意欲が湧くのだと考えるべきである。印象的な陳列とアイコンタクトはショッパーとのつながりを築く手助けとなる販促マテリアルとして重要であり、また明確なメッセージを表す短く動きのあるバナーも大事である。

衝動買いカテゴリーでは、店頭での展開次第で売り上げが1.5倍にも増える可能性を有している。しかしこの成長を実現させるには小売業、メーカーは購買を促進する要素、ショッパーの行動、そして何が最も効果的な影響力をもつのかを理解し、ショッパーの注意を引き、維持しなければならない。あなたはショッパーについて本当に詳しく理解しているだろうか。また店頭販売のビジネス機会を伸ばすための革新に取り組んでいるだろうか。

オリジナル英文記事>>

http://www.nielsen.com/apac/en/insights/news/2014/re-imagining-front-of-store-design.html