米国のメディア業界にとって、3月から5月は文字通り春の季節です。メディア全体を横断するアップフロントイベントが開催され、拡大し続けるコンテンツ市場は、広告の売り手と買い手に多くの機会や膨大な情報をもたらします。
広告主はこの時期、特にデータを重視します。デジタルに対する消費者のエンゲージメントが強くなっていると同時に、消費者のテレビ接触が細分化しています。分析が実施した調査によると、2021年のコンテンツへの総支出は、ストリーミング大手のNetflixを筆頭に、約2200億ドルにのぼります。
しかも、ストリーミングサービス加入者の今後1年間で利用を増やす予定と答えているように、消費者はストリーミング業界の軌道を変えるつもりはないようです。
コンテンツがさらに豊富になるにつれ、消費者にはさらに多くの選択肢が与えられるようになります。
ビッグデータはそもそも測定を前提としたデータではないため、実在の「人」を反映していないことを覚えておく必要があります。
ACRデータは、スマートテレビスクリーン上のイメージを特定するため、オーディエンス測定には非常に有用です。
デバイスやスクリーンの利用者を特定できない他、データは本質的に偏っており、偏りの度合はデータタイプに依存します。ビッグデータが本当に米国の人口を表すためには、すべてのテレビ世帯がまったく同じテレビを持ち、まったく同じデータを通じて番組にアクセスする必要があります。
世界広告主連合)、全米広告主協会(全米広告主協会)、さらには全世界30か国以上の業界団体は皆、スクリーンメディアに対する今後のオーディエンス測定システムは、質の高いパネルとビッグデータの組み合わせであるべきと異口同音に主張しています。
パネルデータを伴わない測定は、多様性を捉えることができません。
例を挙げると、ヒスパニック系は米国総人口のほぼ20%を占めていますが、ビッグデータはヒスパニック系やその他人種のオーディエンス数を著しく過小カウントします、200万人余りです。この人口の半分がある時間にテレビを視聴しており、広告主がRPDデータを測定に利用した場合、広告主は気付いていないだけで900万人以上にリーチできている可能性があります。
30% の過小評価は平均的な数字であり、番組単位で見ると、ビッグデータは一般的な人口や多様なオーディエンスの両方に対し、より大きな幅の誤差を生じさせる場合があります。 ビッグデータを活用した測定、及びニールセンの業界標準であるパネルベースの測定間の差異に関するニールセンの調査研究によると、プライムタイムに放送された番組に対し、RPD測定は米国の総インプレッション数を69%。過大に測定していました。対してACR測定は、総インプレッション数を12%過小に測定しました。
広告主にとって、このような測定のばらつきはコスト高になりかねません。
リニアテレビとデジタルの収束が進むにつれ、ビッグデータは測定の重要なインプットとなっています。