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DMPの導入でエンゲージメント獲得を成功させる6つのポイント
レポート

DMPの導入でエンゲージメント獲得を成功させる6つのポイント

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ニールセン マーケティングクラウド SVP、Ranjeet Laungani (ランジート・ローンガニ)

データマネジメントプラットフォーム(DMP)への投資は、データ志向でアドレサブルなマーケティングへの本格的な取り組みを開始する上で、賢明な選択肢のひとつと言えるだろう。DMPは企業が保有するデジタルエコシステムの神経となり、今まで個別に収集、管理されていた膨大なデータを集約、統合する。企業がデータの真の意味を理解することにDMPが貢献し、価値のあるオーディエンスをデータの理解に基づいて発見・構築することができれば、企業は最も価値があるオーディエンスに対し、デジタルエコシステム全体を通じて最適化されたメッセージをリアルタイムで配信することが可能になる。

DMPが正しく活用されれば、マーケティング担当者は余剰メディア予算を削減できることに加え、マーケティング施策の精緻化を通じた結果の改善というメリットを得られるようになる。媒体社にとっては、DMPはオーディエンスに対するエンゲージメントの獲得、ひいてはデジタル広告売上の増加につながる。しかしながら、メディア業界におけるDMPを活用したエンゲージメント獲得施策は効果を発揮できておらず、評価されていないというのが現実だ。

企業内でDMPの必要性が議論される場合、最大の課題はテクノロジーの統合、プライバシー保護施策の検討、そして企業が初めて経験するスリム化されたデータへのアクセスやこのデータを用いたアナリティクスの活用方法などが挙げられる。しかしこれらの課題に対する専門知識やノウハウは既に存在する。専門サービスを利用することで企業における意思決定は二者択一となり、課題は解決可能なものとなるだろう。新たにDMPを導入する企業がいざ、展開を検討する段階になると、大きな課題として浮き上がってくるのは変革の管理だ。

DMPを上手く活用する上で、必ず押さえておきたい 6つのポイントを以下に紹介する。

1.   「投資を行う理由」に対する共通認識を、早い段階から確立する
企業がDMPに投資する典型的な理由は、デジタル投資額の増加の抑制、あるいは時代に即したマーケティングを行いたいからだろう。DMPを活用したエンゲージメント獲得が失敗する理由として、成功を規定する指標の欠落が挙げられる。もし、あなたがDMPの導入・展開を主導しているのであれば、1年後、そして3年後における成功の定義を主要ステークホルダーとしっかりと規定・合意する必要がある。定義は、可能な限り具体的な内容とすることで、DMPを活用する部署が最も重要な側面に意識やエネルギーを集中することができる。

例:DMP導入の目的は、導入初年度において主要キャンペーンのオンターゲット率を現在の40%から80%に向上し、メディア費用を年間 1,000万ドル削減すること。

2.    データ戦略を徹底的に考える – プロの料理人の厨房が効率化されている理由を参考にする
プロの料理人の厨房では、調理を開始する前の準備が入念に行われている。料理業界では「mise en place (下ごしらえ)」呼ばれている作業で、「準備を事前に、完璧に行っておく」というマインドを象徴する言葉だ。下ごしらえが完璧であれば、調理は楽な作業となる。調理に例えると、DMPの主要食材はデータだ。プラットフォームに取り込むべき最も価値のある自社データを選別し、現在オフラインとなっているデータの取り込み手法を決定、社内で複数回行われることが予想される法務レビューを通じてプライバシーを遵守できているかどうか確認した上で、データの入手先と手法、提供先(例えば社内CRMシステムなど)を決定する。さらには余裕をもった準備として、自社データを補完するセカンドパーティデータの獲得に向けた戦略的提携先を計画しておくことをお勧めする。関連性の強いデータをDMPに取り込むことにより、より多くの価値を得ることができるからだ。

3.    TCO(総所有コスト)を把握する
エンゲージメント獲得プロセスの初期段階で価値を提示することが目的であれば、TCO(総所有コスト)を把握することが必須となる。DMPの価格にはソフトウェアコスト、データコスト、サービス費用や設定費用など、多くの費用項目が含まれるので、何がどこまで含まれているかを事前にしっかりと把握することが重要だ。データ量によっては、データ通信無制限のプランを検討、交渉するのもよいだろう。エンゲージメント施策を主導する立場として、年間費用の詳細内訳や条件を明確にし、年度の途中で追加料金が発生することが明らかになったために初年度の必達目標を削減する、あるいは展開そのものにリスクが発生するなどの事態を避けるようにするべきだ。

4.   ビジネスと戦略の連携を確保する
DMP導入初年度で企業がやりがちな失敗は、エンゲージメント施策をビジネスから隔離することで、担当エージェンシーやごく数名のデータエンジニアにDMPの命運を預けてしまうことだ。立ち上げメンバーは少数で構わないが、初期段階に様々なステークホルダーを関与させることが非常に重要となる。広告主企業であれば、まずは少数のブランドからスタートすること、そして媒体社であれば少数のデジタル媒体から着手するべきだ。DMPが確実にビジネス課題の解決に貢献することを示すために、DMPの利用を問題解決に直結させることが鍵となる。

5.   ステークホルダー基盤を拡大する
マーケティングの精緻化に向けて、企業にDMPをしっかりと根付かせるには大勢のステークホルダーの協力や関与が必要となる。DMP導入が失敗に終わるケースを見ると、ステークホルダーがタイムリーに関与していないことが多々見受けられる。本来ならば関わりを持つべき人材が、DMPが成功しようがしまいが関係ない、という態度や考えを持ってしまうことは、何としてでも避けるべきだ。ステークホルダーにDMPのメリットをしっかりと理解してもらうためには、適切なトレーニングやインスピレーションセッションなどを開催することが重要となる。参加者は DMP導入を主導するデジタルチーム、メディアおよびクリエイティブ担当エージェンシー、IT、法務、マーケティング、販売、インサイト、アナリティクス、技術運用、購買部署など、多岐に渡る。アメリカの諺に「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」というものがあるが、エンゲージメント施策を成功させるためには、導入・展開当初から大勢のステークホルダーを巻き込んでおく必要がある。

6.   最初の100日間で確実な結果が出る短期的な施策を3つ、選定する
事業開発チームやP/Lに責任を持つステークホルダーをDMPの導入・展開当初から関与させる理由として、導入担当チームが解決するべきビジネス課題を正しく理解すれば、展開の初期段階に DMPの投資対効果を周囲に明示できるからだ。DMPの社内展開には相当の労力が費やされるため、ステークホルダーのモチベーション維持という意味でも「クイックヒット」(比較的短期かつ容易に成果を出せる施策)が必要となる。また、何をするかに加え、成功をどのように計測するかについても考えておくことも大切だ。最後に、初期段階で成功を収められた場合、様々な部署のステークホルダーと成功を分かち合うことをお忘れなく。

上記のポイントを押えたとしても、DMPの導入・展開は決して簡単ではない。しかしチームワークや積極的な変革の管理、そして入念なプランニングによってDMPを成功裏に導入・展開することは可能となる。DMP がその機能や役割を果たすようになれば、ビジネス成長を加速する頼もしいツールとなるだろう。本記事が DMP の導入・展開を計画している皆様の一助となれば幸いである。

この記事はDrumに掲載されました。