リーチを最大化するための広告配信の改善ポイントについて
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リーチを最大化するための広告配信の改善ポイントについて

Naoki Munakata

日本では5月末に緊急事態宣言が解除されて以降、COVID-19の影響で大きく落ち込んでいたデジタル広告出稿が上向きつつあります。しかし、この先も依然として厳しい経済動向が予想され、広告の予算が抑制される状況はしばらく続いていくと考えられます。このような環境の中、より効率的なメディアプランの立案を求められる広告担当者も多いでしょう。

デジタル広告のうちダイレクトレスポンス目的の広告では、クリック率の改善やA/Bテストを用いた改善など、さまざまな効率化が図られています。一方でブランディング目的の広告では、これまでも紹介している通り、「広告が届けたい相手にどれだけ届いたか(=リーチ)」と、「届いた広告が態度変容を起こしたか(=ブランドリフト)」の2つの視点で改善が可能です。

今回は、効率化という観点から前者のリーチを最大化するブランディング目的の広告配信の改善ポイントについてご紹介します。

KPIの悪いサイトから良いサイトに媒体費用を再配分する

デジタル広告のリーチを最大化する方法としては、ユニークユーザー獲得単価の改善や動画広告の場合は完全視聴獲得単価の改善など、さまざまな施策があります。これまでも、ターゲットとしている性年代に実際に広告が届いたのかを把握するKPIであるオンターゲット率や、”人”ベースでのリーチ、フリークエンシーの把握の重要性について説明してきましたが、今回はそのうちオンターゲット率をKPIとしたときの改善方法についてご紹介します。

※オンターゲット率=全インプレッションのうちターゲットの性年代に到達していたインプレッションの割合

例えば女性20-34歳をターゲットとして、3つのサイトに6週間にわたってデジタル広告を出稿するキャンペーンにおいて、キャンペーン実施期間中にオンターゲット率を改善する方法について考えてみたいと思います。まずキャンペーン開始から2週間経過した段階で、出稿先別にオンターゲット率を確認したところ、図表のように、サイトCのオンターゲット率が最も高くなっていたとします。サイトAとBの広告の目的やターゲット層がサイトCと同じだった場合、残りの4週間でサイトA、Bで配信する予定であった費用の一部もしくは全額をCに再配分することで、キャンペーン全体としてのオンターゲット率を向上させることができます。

実際のキャンペーンでは、キャンペーン開始後の費用配分の変更ができないケースやサイトごとに狙っている効果や目的が異なるので、オンターゲット率が低くても費用を減らすことが難しい場合もあるかと思います。そのような場合でも、変更が可能な範囲で媒体費用を再配分することで一定のオンターゲット率向上の効果を得ることができます。

cost allocation

リーチを最大化するための広告配信の改善ポイント

ここまで、キャンペーン全体としてのオンターゲット率を改善する方法について紹介してきました。媒体費用の再配分による最適化は非常にシンプルな考え方ですが、実際に実践してみるとなかなかうまく効果が出ないケースもあります。多くのケースでは、運用に問題があることにより効果が出ていません。媒体費用の再配分の効果を最大限に発揮するには、以下の3つのポイントに気をつける必要があります。

1.ある程度まとまった費用を再配分するほうがよい

媒体費用の再配分によって、ターゲットリーチ獲得以外に影響するリスクを考えると、費用全てを再配分するなどの大胆な変更は難しいかもしれません。しかし少額、例えば費用全体の5%を調整する程度では、全体への改善インパクトも小さくなります。そのため、改善施策を重ねていく中で再配分に充てる費用を徐々に増やしていき、改善のインパクトを大きくしていくことが重要です。

2.費用再配分は早いタイミングで実施するほうがよい

キャンペーンの費用や時期を考慮した上で、早いタイミングで結果をレビューすることで、費用の再配分に充当するためのより大きな配信ボリュームを残すことができると、比例して効果を大きくすることができます。特に媒体費用の大きなキャンペーンの場合には、一度費用の再配分を行った後に、再度レビューの機会をもうけて、さらに改善の余地がないかを確認すると良いでしょう。

3.関係者間で費用の再配分の方向性をキャンペーン開始前に合意しておけるとよい

費用再配分の方向性を事前に合意できていないと、その内容を決めるために時間が掛かることで再配分のタイミングが遅れてしまうことがあります。例えばどのKPIを基に判断するかを決めていないケースや、当初費用のうちどの程度を再配分に回すか決めていないケースが挙げられます。そのため、複数のKPIを設定している場合は、どのKPIを基に意思決定するかを事前に合意しておき、例えば当初費用の半分程度は再配分に回すと決めておくことで、結果レビューがスムーズに進み、速やかな再配分調整の着手へとつなげることができます。

最後に

今回はリーチを最大化するための広告配信の改善ポイントついてご紹介してきました。広告配信にあたっては、広告の目的にあった適切なKPIを設定、計測し、キャンペーン期間中も定期的に確認して改善することが重要です。さらにご紹介したポイントを参考に、その改善の効果を最大化できるよう日々工夫しながら運用していくことが重要であると考えます。