昨年、オンライン動画サービス市場では大きな動きがありました。アドレポート2021(ニールセンビデオコンテンツ&広告レポート2021)」によると、インターネット利用者における有料動画サービスの利用率は昨年の30%から36%に増加していることが分かりました。
有償動画サービスは、昨年、大きく利用者が増加していますが、最近利用し始めた人が既存の利用者と同じような利用者であると捉えていると、それは適切な理解ではありません。
主要動画サービスを直近1年以内に利用し始めた人と、1年以上前から利用している人と比較したところ、性別では、最近利用し始めた人は女性が52%を占める一方で、既存の利用者では女性の割合が46%となっています。49歳の人も多くなっていました(図表1)。女性の幅広い年代で利用者が多くなっているのは、利用を開始した理由として「話題になっているから」回答が多いことを考慮すると、動画の様々なコンテンツがメディアで話題に上がったことをきっかけに、緊急事態宣言の発令に伴う外出制限により、休日の過ごし方の1つであった映画館での映画鑑賞が難しくなったことや、緊急事態宣言の発令中において、テレビドラマの新しい作品の制作本数が減少した期間があったことが要因となり、新たに生まれた時間を自宅で楽しむために利用し始めた可能性が考えられます。19の影響で、自宅でのオンライン授業が増加して外出が減少したことを受け、通学時間の代わりに生じた新たな時間の動画サービスの利用に充てていたことが考えられます。
主要動画サービスを1年以上前から利用している人では、洋画や邦画のジャンルを好んで視聴している映画好きが多くなっている一方で、直近1年以内に利用し始めた人では、洋画や邦画に加え、アニメ、国内のドラマのジャンルも同程度に視聴しています。
有料動画サービスの利用率はこの1年間で大きく伸長しました。また、有料動画サービスを最近利用し始めた人は女性や若年層が多く、メディアで動画サービスのコンテンツが話題になっていることをきっかけにして、外出制限で生まれた新たな時間を自宅で楽しむために、有料動画を使い始め、既存の利用者が好んで視聴している洋画、邦画のジャンルに加え、アニメ、国内ドラマも同程度に視聴、さらに韓流ドラマの視聴が多くなっていることが分かりました。