ニールセン・サザンアフリカ、テレコム・ディレクター、ヤン・ハットン氏
アフリカは技術革命の真っただ中にあり、携帯電話の普及ほどその事実を物語るものはない。清潔な飲料水よりも携帯電話にアクセスできるアフリカ人の方が多いのだ。アフリカ大陸で最も経済力のある南アフリカでは、携帯電話の使用率は2000年の成人の17％から2010年には76％になった。現在、2900万人という多くの南アフリカ人が、ラジオ（2800万人）、テレビ（2700万人）、パソコン（600万人）よりも携帯電話を利用している。固定電話を使用している南アフリカ人はわずか500万人である。
ニールセンが最近発表した南アフリカにおけるモバイル・インサイト調査は、消費者の携帯電話、ネットワーク、サービスに対する利用状況や態度を調査したもので、興味深い洞察がいくつも明らかになった：
- 高いネットワーク・ロイヤリティ：加入者の95％が平均4.2年間キャリアと付き合っており、81％が友人や家族にネットワーク・プロバイダーを薦めると答えている。
- プリペイドから契約への移行 プリペイド・プランは依然として市場の82〜85％を占めているが、加入者の25％が、今後1年以内にプリペイドから契約パッケージに切り替える可能性があると回答している。
- ネットワーク品質が重要な決定要因4分の1以上（27％）が、ネットワークの質の低さが原因で以前のプロバイダーを辞めたと回答している。
- ノキアが優勢だ：半数以上（52％）がノキアの端末を所有し、サムスン、ブラックベリーがそれに続く。
南アフリカの人々は携帯電話をどのように使っているのか？
他の国と同様、携帯電話は通話以外にもさまざまな用途で使われている。南アフリカは、モバイル・データの使用量が世界第5位で、第7位の米国を上回っている。
調査対象者の20％以上が着信音をダウンロードすると答え、同数が音楽をダウンロードすると答えた。また、壁紙、スクリーンセーバー、写真もよくダウンロードされている。インターネット端末としての携帯電話も増加傾向にあり、南アフリカ人の11％が携帯電話でオンラインを利用しており、25～34歳の消費者が最も多く利用している。フェイスブックは最も人気のあるソーシャルメディア・プラットフォームで、携帯電話契約者の85％が利用している。南アフリカのフェイスブック利用者の半数が携帯電話からアクセスしている。モバイル・インスタント・メッセージ・プラットフォームのMXITも南アフリカでは人気があり、61％がこのサイトにアクセスしていると回答している。
SMSテキストメッセージは、南アフリカの携帯電話利用者の間では事実上ユビキタスであり、Eメールの約4.2倍の人々が利用している。消費者の3分の2以上（69％）が、通話よりもテキストメッセージの方を好んでおり、その理由の大部分は、テキストメッセージの方が料金が安いからである。
南アフリカのモバイル・ユーザーの大多数（60％）は、銀行が提供するモバイル・バンキング・サービスを知っていると答えたが、そのようなサービスを利用していると答えたのはわずか21％であった。このことは、銀行がモバイル・バンキングの利点と安全性を伝えるために投資する必要があることを示唆している。
この調査は、急速に進化する通信セクターで起きている変化を測定するための包括的なベンチマークを提供するものである。わずか3年前、アフリカ大陸でスマートフォンが使われていなかったことを考えると、その変化のスピードは目を見張るものがある。南アフリカが最大の市場だが、大陸の他の国も急速に追いつくだろう。
