ケイト・スレイメイカー、メディア分析コマーシャル・リード
女性をターゲットにする最善の方法をめぐる議論は、確かに賛否両論になりうる。女性消費者をターゲットにした最近のいくつかのブランディングは、不器用で恩着せがましく見えるという反発を受けた。マーケティング担当者は、女性にリーチするために、安直なトリックやピンク色のものを作ったり、ラベルに女性のアイコンを付けたりするのではなく、もっと戦略的に考える必要がある。
しかし、このようなキャンペーンへのあからさまなアプローチは、ニールセンのデータによると、デジタル・キャンペーンは全体的に、女性をターゲットにしてリーチするのがかなり難しいという事実によって説明できるかもしれない。憂慮すべきことに、これは特にショッピング、小売、旅行といった巨大な業種に当てはまる。指標となる調査によると、自動車ブランドや電子機器ブランドにも同じことが言える。
ニールセンのデジタル広告レーティング・データベースによると、すべての年齢と性別のターゲットを考慮した場合、英国では、ショッピングと小売のキャンペーンは、男性へのリーチ効率が女性へのリーチ効率の2倍である(ターゲティング精度81%対39%)。旅行キャンペーンも同様で、自動車キャンペーンは女性よりも男性へのリーチ効果が約3倍高い(女性16%対男性47%)。家計支出に関する意思決定の大部分を女性が握っている(あるいは少なくとも影響を及ぼしている)ことを考えると、これらのカテゴリーすべてにおいて男性をターゲットにしたオンライン広告がより効果的であるという事実は、広告主にとって懸念材料であり、この課題に対するエージェンシーのアプローチに疑問を抱かせるものである。
デジタルは広告アジェンダの上位にあるが、数字が示すように、女性は男性よりオンラインで過ごす時間が短いため、リーチするのが難しい。より効果的にリーチできるのはテレビである。英国の放送視聴者調査委員会(Broadcasters Audience Research Board)のTVデータを使用したところ、今年1月の時点で、女性の57%以上がヘビーTV視聴者と分類されたのに対し、男性は42%強にとどまった。また、今年は英国の広告費の50%以上がデジタルに費やされる可能性が高いが、テレビは依然として英国で最も広範なメディアである。ニュース番組や政治番組中に広告を出すブランドは、男性よりも女性の方がカットスルー率が高い傾向がある。
多くの広告主や広告代理店は、デジタルをテレビに対抗してリーチを増やす媒体として見ている。ニールセンの総合広告視聴率データベースは、男性をターゲットにしたキャンペーンの方が、女性をターゲットにしたキャンペーンよりも、リーチの増加をもたらす効率が高いことを示している。例えば、英国では、女性をターゲットにしたキャンペーンでリーチしたデジタル視聴者のうち、テレビキャンペーンの視聴者の増分となったのはわずか31%であったのに対し、男性をターゲットにしたキャンペーンでは50%であった。
検索に続いて、女性はヤフーやMSNのような総合ポータルサイト、フェイスブック、ツイッター、ピンタレスト、インスタグラムのような会員制コミュニティサイト、アマゾンのような量販店にほとんどの時間を費やしている。
ペット関連、特別な日、家族関連のサイトは、女性の構成比が最も高いサイトである。ニッチなサイトであり、すべての女性が訪れるサイトではないことは確かだが、広告主は、女性視聴者に最も効率よくリーチするために、これらのサイトを考慮すべきなのは間違いない。
ブランドとその代理店は、ニールセンについて 、テクノロジーを活用し、キャンペーンを効率的かつ効果的に実施するための賢いデータの活用方法を考える必要がある。ファーストパーティデータの重要性はいくら強調してもしすぎることはなく、ブランドはサードパーティデータソースと合わせてこれを活用し、女性が実際にいる場所をターゲットにしていることを確認する必要がある。
ブランドはまた、ニールセンについて 、どのように女性にリーチし、有意義な形で共鳴させるかを注意深く考える必要がある。デジタルが万能薬だと考えることに振り回されがちだが、女性は一枚岩ではない。米国だけでも、女性は人口の半分強を占め、39兆ドル以上の資金を管理している。これは、世界の富の30%を握っていることになり、その数は増え続けている。ターゲティングに成功するブランドは、ステレオタイプを利用したマーケティング戦術を避け、データを賢く活用する。それができないブランドは、女性消費という経済大国を失うリスクがある。