デジタル化とパンデミックの永続的な効果は、消費者の選択肢の拡大である。 自動車や家具をオンラインで購入できるようになったことから、より多くの買い物を無限のバーチャル棚に押しやるパンデミックの影響まで、消費者はより多くの選択肢に直面している。 その膨大な選択肢とサプライチェーンのひずみは、ある程度ブランド・ロイヤルティに影響を及ぼしているが、あなたが考えているほどではない。そして、新規顧客獲得を通じてブランドを成長させようとしているマーケティング担当者にとっては、これだけの選択肢があるということは、新規購入者を獲得するための競争が激しくなっていることを意味する。
マーケティング担当者にとって新規顧客の開拓は重要な課題だが、消費者は新しいブランドと関係を持ちたがらない。ニールセン・コムポイント・ジャーニーの調査によると、80以上のカテゴリーにおいて、消費者の購買の85%は、過去に試したことのあるブランドである。購買行動が高度に日常化し、消費者が自動操縦で買い物をするようなカテゴリーでは、高いリピート購買が期待できるかもしれない。しかし、購買ジャーニーが通常1週間を超えるような、検討度の高いカテゴリーにおいても、新しいブランドを試すことへのためらいは依然として高い。ニールセンのデータによると、こうした検討度の高いカテゴリーでは、消費者の75%が過去に購入したブランドから購入している。
リピート購入が多い理由として考えられるのは、消費者にとって新しいブランドに挑戦することはリスクの高い提案であり、消費者はそのリスクを避けようとしているということである。Commspoint Journeyのデータによると、米国の消費者のほぼ4分の1(22%)が、新しいブランドを購入するまでの間に不安や緊張を感じたと回答している。これは、消費者が以前購入したブランドを再度購入する際に感じる不安(11%)の2倍のレベルである。また、当然のことながら、消費者は、ハイテク、自動車、金融サービスなど、コストがより重要な要素となるカテゴリーでより不安を感じている。
ブランドは、消費者の信頼を築くことで、消費者のためらいを軽減することができる。信頼はあらゆるブランドと消費者の関係の核心であり、新しい関係においてはさらに重要である。ニールセンのCommspoint Journeyのデータによると、新しいブランドを検討している人々は、平均的な消費者よりも25%高い確率で、理想的なブランド関係を信頼関係を含むものとして説明している。
消費者は、ブランドの信頼性を評価するために、購入に至るまでの過程で複数の情報源を評価する。レビューや口コミに反映されるブランドの評判は、確かに大きなウェイトを占めている。ニールセンの米国広告信頼度調査によると、これらの情報源は20以上の情報源の中で最も信頼できるものであった。しかし、マーケティング担当者が驚くかもしれないが、広告がレビューや推薦よりも、旅の途中で役に立つ、あるいは影響力のあるリソースとして引用されることが多いのだ。Commspoint Journeyによると、新規ブランド試用者のわずか18%が、その旅の中でレビューを利用した記憶があるという。それに比べ、30%が推薦を利用し、45%が広告が有用または影響力があったと回答している。
広告の重要な役割を考えると、マーケティング担当者は広告を掲載する場所について慎重に考える必要がある。信頼構築に関わる場合、当社の米国広告信頼度調査によると、スポンサーシップ、新聞広告、映画前広告などのマーケティング投資は、最も信頼できるものであった。 対照的に、モバイルテキスト、オンラインバナー、ソーシャルメディアに掲載される広告は、信頼性が低いと見られている。また、スポンサーシップとソーシャルの要素を融合させたインフルエンサーは、他のマーケティング投資と比較して、ニールセンについて 平均的と見られた。
特定の視聴者を獲得したいブランドは、その視聴者がどのチャンネルを最も信頼するかを理解することにメディアの価値を見出すだろう。例えば、X世代の消費者はラジオの広告を最も信頼するが、シニア世代は購読しているEメールの広告を信頼する傾向がはるかに高い。
特定のカテゴリーや業界では、消費者との信頼関係を築く可能性を高めるチャネルを選ぶことが、さらに重要な意味を持つ。消費者は、政治、製薬、金融サービスの広告を最も信頼していない。つまり、これらの分野の広告主は、消費者の信頼を引き出す可能性が最も高いマーケティング・チャネルを選ぶべきである。