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ブランド構築は認知度が重要

3分で読む|2021年6月

マーケティング担当者は、その努力に対して測定可能なリターンを提供することを常に求められてきたが、世界がパンデミック後の未来に目を向けるにつれて、成長への要求はより鮮明になっている。そして、それを実現するために、マーケティング担当者は、コンバージョンに焦点を当てた取り組みと連動するアッパーファネル、ブランド構築の取り組みを再認識させるバランスの取れた戦略に焦点を当てるべきである。

しかし、長期的なビジネスの活性化には、短期的な活性化以上のものが必要である。ホリスティック・マーケティングにはバランスが必要であり、それは、パンデミックが発生する以前から、売上主導のアクティベーションに頼りすぎていた多国籍企業の多くが気づいていたことだ。Gap Inc.、アディダス、Tripadvisorといったブランドはいずれも、長期的なブランド・エクイティの創造と維持のためにもっと努力する必要があると、2019年後半に公式声明を発表したニールセンについて 。

コンバージョン重視の魅力的で即効性のあるマーケティングに比べ、ブランド構築は目に見えるリターンを生み出すのに時間がかかる。しかし、そのリターンは有意義であり、測定可能である。ニールセンの経験によると、認知度や検討度などのブランド指標が平均1ポイント上がると、売上は1%増加する。1%という数字を重要でないと見なすのは簡単かもしれないが、10億ドルの売上に対する1%のリターンは1,000万ドルに相当し、重要でないとは言い難い。

また、アッパーファネル・マーケティングの取り組みは、営業活動の効率化を促進する様々な付随的利益を生み出す。例えば、ニールセンは最近、ある金融サービス企業のマーケティング活動が、約20の市場でどの程度効果的に売上を促進できたかを測定した。調査開始当初、ブランドの認知度やブランドへの関心度は市場ごとに異なっていた。調査終了後、ニールセンはアッパーファネルのブランド指標とマーケティング効率の相関関係が非常に強い(0.73)ことを発見した。したがって、ブランドは、売上への直接的な利益だけでなく、活性化努力の効率向上からもたらされる間接的な利益のためにも、エクイティを構築する価値があると考えるかもしれない。

ブランド構築の確立された利点に加え、従来のブランド・エクイティの源泉が失われつつある中、長期的なマーケティング努力の重要性はますます高まっている。例えば、店頭の棚や看板の視認性がブランド・エクイティの重要な要素であることを忘れがちだ。ブランド・オーナーは、これらを当然のものと考えているかもしれないが、実店舗で買い物をしたり、実店舗の前を通ったりする人が減っていることを考えれば、それは危険な提案となる。そのため、いざというとき、消費者の目に留まり続けることが、売上げを左右することになりかねない。実際、ニールセンのデータによると、マーケティングはブランド・エクイティの10%~35%を占めている。

エクイティ・ロスの影響は、従来のチャネルとデジタ ル・チャネルのブランド保持率やトライアル率の違いに反映さ れている。例えば、ニールセン・コムスポイン トによると、米国の消費者包装財(CPG)市場では、実店舗 での購入の4.3%が、以前購入したことのないブランドであ るという。オンライン購入の場合、この指標は12.1%に跳ね上がる。新規ブランド購入率の増加は、消費者が常用しているブランドを完全に犠牲にしている。

このように、マーケティング以外のエクイティの源泉に対する圧力が高まることで、ブランドの健全性を維持するためのマーケティングの重要性が高まっている。

広告を止めるのに良い時期というものはないが、認知度を高める必要性はブランドにとってかつてないほど重要になっている。コンバージョン重視のマーケティングが魅力的なのは、今期の売上を促進し、すぐに満足感を得られるからだ。しかし、長期的なビジネスの成功には、既存顧客のリピートビジネス以上のものが必要だ。だからこそ、マーケティング担当者は、アッパーファネルとロウアーファネルの両方のメッセージングにおいて、バランスの取れた声のシェアを確実に挿入することに力を注ぐべきなのだ。

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