パンデミックがEコマース導入に与える影響を軽視することはできないが、COVID-19と1年以上共存してきたブランドにとって、オンラインショッピングのすべてが電子購入で終わるわけではないことを理解することは極めて重要である。そして、それこそが、オムニチャネル戦略が購買時点だけに焦点を当てることができない理由なのである。
ニールセンIQの調査によると、COVID-19は昨年、米国のオムニチャネル・ショッピングを50%増加させたが、オンライン購入につながったのはその半分以下だった。言い方を変えれば、多くのオムニチャネル・ショッ パーは、デジタル・チャネルを、単に電子的な手 段としてではなく、情報のために利用している。つまり、eコマースでの購買に固執するオムニチャネル・マーケティング戦略は、消費者のかなりの部分を排除していることになる。
必要な調整は微妙だが、非常に重要である:それは、オンとオフラインの購買体験ではなく、タッチポイントからタッチポイントへのシームレスな体験を創造することである。オムニチャネル・ビジネスとマーケティング戦略は、近年ますます重要性を増しているが、今年の ニールセン年次マーケティングレポートのデータは、マーケターが消費者のために全体的な体験を創造することにもっと焦点を当てる必要があることを示唆している。
報告書によると、あらゆる規模のブランドが、顧客獲得を今年のマーケティング目標のトップに挙げている。これは、2020年以降、ニールセンについて の売上増を考える必要があることから予想されることではあるが、調査回答者は、より包括的ではなく、いくつかの選択したチャネルでマーケティングを強化する予定である。

デジタルで増幅された今日のメディア状況において、ソーシャルメディアや検索などのチャネルへの支出を増やすことは、非常に理にかなっている。しかし、ブランドは、それらの特定のタッチポイントに続く消費者ジャーニーのステップを無視する余裕はない。オムニチャネル・マーケターとして成功するには、他のステップにも投資する必要がある。そしてそれは、多くのマーケターにとって、測定という別の課題を提示することになる。
昨年の 広告撤退を考えると、マーケターにとって投資収益率(ROI)を証明するプレッシャーはこれ以上ないほど高い。それは、ブランドが資金を配分するすべてのチャネルを、どんなに小さな配分であっても測定することを意味する。ここに、支出配分と測定に対する自信との相関関係が見られる:ブランドは、測定能力に最も自信があるところで支出を増やす計画だ。ここで注意しなければならないのは、チャネルをまたいだ測定に対する自信が著しく欠けているということである。

今回調査したマーケターは、オウンドメディアとアーンドメディアを非常に重視しており、クロスプラットフォームリーチの把握に高い関心を持っている。デジタルチャネルへの支出は今後、特にパンデミックにおいて確実に増加するだろうが、オウンドメディア(ウェブサイト、Eメール)も同様に基本的な考慮事項である必要がある。ブランドと消費者の間の物理的な交流が減少していることを考えると、各ブランドのデジタルプレゼンスは、より一層努力する必要がある。
マーケティング担当者が真に顧客獲得の向上を目指すのであれば、あらゆるコミュニケーションチャネルがジャーニーにおいて目的を果たすようにする必要がある。これを効果的に行うには、戦術をパーソナライズするための適切なデータと、迅速に行動するための努力の影響を測定する能力が必要である。そしてそれは、マーケティング担当者が戦略を反復する際にプライバシーとアイデンティティを考慮しながら、適切な技術に投資する必要があることを意味する。
その他のインサイトについては、以下をダウンロードしてください。 2021 ニールセン・マーケティング・レポート適応の時代.