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COVID-19が広告の教科書を変えた。今、何が起こっているのか?
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COVID-19が広告の教科書を変えた。今、何が起こっているのか?

世界の消費行動がさらに再開され始めたとしても、パンデミックが消費者の行動やブランドと消費者のエンゲージメントに永続的な影響を与えることは明らかです。

私からのアドバイス:不確実性を受け入れることを学びましょう。結局のところ、今日のメディアエコシステムで唯一不変なのは「変化」なのです。

幸いなことに、2020年に何がうまくいったのか、いかなかったのか、ブランドメッセージがどのように変化したのか、消費者の行動がどのように加速したのかについては豊富な証拠を得ることができました。しかし、明日の課題はどの消費者行動が定着し、どの消費者行動が回帰するかということです。 ここに3つの教訓があります。

デジタルファーストが本格的にユビキタスに

ニールセンは、パンデミックのピーク時にデジタルゲームの購入、ストリーミングビデオの利用、オンライン注文、在宅勤務などの増加を確認しました。必要に迫られた企業は、従業員だけでなく、サービスや広告の多くをオンラインに移行しました。

デジタル広告は、パンデミックの発生時に広告費を削減するという突発的な反応とは無縁ではありませんでしたが、ブランドは消費者とのコミュニケーションを維持するために、デジタルプラットフォームへの再投資を迅速に開始しました。BIScience社と共同で行ったニールセン社の分析によると、広告費が削減されたにもかかわらず、2020年の広告は前年比で約4%増加しました。

2021年にはブランドが不確実性を克服し続け、消費者がデジタルライフをさらに受け入れるようになるため、その変化はさらに大きくなる可能性があります。GroupM社は2021年には広告費の55%をデジタル広告が占めるようになると予測しています。広告主が最新の広告トレンドに適応し、クロスメディアカレンシーが現実のものとなる中で、一つ確かなことは、デジタルファーストが広告において真にユビキタスなものとなったということです。

今回のパンデミックで消費者がとったデジタルファーストの行動の多くは、今後も続くでしょう。Nielsen Remote Workers Consumer Surveyによると、回答者の80%が「自分の好きな場所でリモートワークができるようにしたい」と答えています。

このような変化は、経済状況や視聴者の動向を変え始めており、今後も消費者のメディア行動や余暇時間の過ごし方に大きな影響を与えると思われます。

世界が再び開かれるにつれ、人々は徐々に対面式の食事や買い物に戻っていくでしょうが、オンライン注文やカーブサイドピックアップ(商品の店頭受取)の利便性は、多くの小売店やレストランにとって重要なサービスであり続けるでしょう。

ブランドにとっての沈黙は命取り

パンデミックが発生したとき、沈黙を選んだブランドもあれば、メッセージを倍増したり、調整したりしたブランドもありました。2020年上半期のテレビ広告費は、米国では前年比15.3%減、フランス、ドイツ、イタリア、英国では10.1%減となりました。

最大の落ち込みは4月で、フランス、ドイツ、イタリア、英国で前年比31.8%という驚異的なテレビ広告費の落ち込みを記録しました。

広告費を削減することが必要な場合もありましたが、ブランドエクイティと収益の両方を回復するには3年から5年かかることを考えると、リスクを伴うものでした。広告を続けることを選択したブランドは、広告投資規模の大小によってメディア費用配分、メッセージング、戦術を変え、異なるアプローチをとっていました。

例えば、ニールセンAd Intelの調査によると、英国では、ユニリーバのような広告主が、2020年上半期に、前年に比べて積極的に支出を増やしました。ユニリーバは、消費者の関心がデジタルやテレビに向いていることを受けて、投資先をデジタルやテレビに移し、支出を倍増させました。

米国では、自動車関連の広告主が、パンデミック発生当初は慎重に削減していたローカルテレビへの支出を、後半になって活発化させました。

ニールセンAd Intelによると、ローカルTVでNo.1の広告主であるゼネラル・モーターズ(GM)は、11月の広告費が6月の1,970万ドルから3倍以上の7,240万ドルに増加していました。また、トヨタ自動車やフォード・モーターなども同様に広告投資額を増やしています。当然のことながら、GMは第4四半期に業界標準を上回る業績を達成しました。

これらのスマートで柔軟かつ大胆な選択により、これらのブランドは消費者の想起のトップを維持することができ、売上への全体的な影響を抑えることができ、2021年に向けて前向きなスタートを切ることができました。

COVIDによる疲弊は一過性ではなく、再び消費者の疲弊は戻ってくる

パンデミックが始まったとき、多くのブランドはすぐに健康面の安全性を訴えるメッセージで対応し、消費者との信頼関係を築くことができました。

状況が長引き、ブランドがパンデミックへの対応手順を確立すると同時に、「COVID」に対する疲労感が生じてきたことに対し、ブランドは希望や医療従事者への支援、パンデミックの中での新しい常識の受け入れなどにメッセージを集中させるようになりました。

米国におけるCOVIDをテーマにしたテレビ広告の割合は、2020年第2四半期の18%から、2020年第3四半期には12%、第4四半期には11%に減少しました。

ニールセンAd Intelによると、2020年の第2四半期には海外ではCOVID関連の広告クリエイティブがピークを迎え広告全体の48%を占めていました。しかし、消費者の間でCOVID疲れが生じたため、第4四半期にはこの数字は20%にまで落ち込みました。

現在は、ワクチンと継続的な健康面の安全性に関連した新しいメッセージングが増えています。その一方で、多くの消費者はパンデミックの世界から抜け出すことを待ち望んでいます。より多くの人がワクチンを接種し、ロックダウンが1年経過すると、また新たな疲労感が襲ってくると考えてよいでしょう。広告主は、どのコミュニティや消費者がパンデミックの影響をより強く受け、元の生活を取り戻すためにより多くの支援を必要としているかを認識しておく必要があります。 このようなトレンドを理解し、不確実性を受け入れ、機敏に対応することが、2021年の広告・メッセージ戦略を成功させるための鍵となります。

新たな課題に直面したときには、以下の3つの指針を参考にして、軌道修正することが必要です。

  • 柔軟性と反復性を持つ
  • 一貫したシェアオブボイスを維持する
  • 消費者の今いる状況に適切にリーチする


この記事のオリジナル原稿は MediaPost
に掲載されました。

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