メディア視聴行動分析サービスを提供するニールセン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役会長兼CEO:福徳 俊弘)は、スマートフォン・メディア利用実態調査レポート(2012年6月版)より、スマートフォンユーザーのアプリ利用実態についてまとめました。
それによると、利用しているスマートフォンのOSの種類、スマートフォンの利用経過期間および利用者の性年代によって、スマートフォンのアプリに対する利用傾向が異なることが分かりました。
スマートフォン利用経過期間ごとに回答者を分け、「1ヶ月以内に5個以上無料アプリをダウンロードした人」の割合をみると、AndroidユーザーとiPhoneユーザーのいずれにおいても、スマートフォンを利用し始めた直後の0~1ヶ月で最も割合が高く、その後4ヶ月目までに急減し、その後は比較的横ばいに推移することが明らかになりました。また、iPhoneユーザーとAndroidユーザーを比較すると、すべての期間でiPhoneユーザーの方がAndroidユーザーよりも10~20ポイント程度割合が高くなっており、期間を通してiPhoneユーザーの方がアプリのダウンロード意向が高い傾向があることが分かります。
アプリをダウンロードする基準では、OSを問わず「無料のアプリであること」が一番の選択基準になっています。特にAndroidユーザーではiPhoneユーザーより5ポイント高い90%が「無料のアプリであること」を選択の基準としており、有料アプリに対する心理的な障壁が特に高い事がわかります。その他、OS間で比較的差が表れたアプリの選択基準としては、Androidユーザーでは「信頼できるマーケット(アプリストア)で公開されていること」がiPhoneユーザーと比較して10ポイント高くなりました。一方で、iPhoneユーザーでは「★の数などユーザーの評価が自分の中の基準を満たしていること」、「ランキングで上位にランクされているアプリであること」、「ダウンロード件数が多いこと」といった、アプリストア内で示されている情報に関連する項目の回答割合がAndroidユーザーに比べて高くなっています。このことから、Androidユーザーにとっては、アプリをダウンロードするアプリストア自体が信頼できるかどうかが比較的重要な選択基準となっており、一方のiPhoneユーザーはアプリストア内の情報をより参考にしている様子がうかがえます。
さらに、ダウンロードするアプリの選択基準の傾向は、スマートフォン利用者の性年代によっても異なります。それを示すためにコレスポンデンス分析によって「性年代」と「ダウンロードするアプリの選択基準」の関係を図上に示したものが図表3です。この図表の各項目の位置関係から各性年代におけるダウンロードするアプリの選択傾向が分かります。例えば、女性は男性と比べてすべての年代が「周りの友達が薦めてくれた」や「周りの友達が既に利用」といった“友達の評価”に関する項目に近い位置にあります。これは男性と比較して女性はアプリの選択時により友達の評価を選択の基準にする傾向があるということを表します。反対に男性は女性と比較すると、より“アプリストア内の評価”や“メディアでの評価”を選択基準にする傾向があると言えます。また年代別に注目してみると、男女とも若い年代では“友達の評価”や“アプリストア内の評価”といった、いわゆるユーザーの評価を選考の基準にする傾向がありますが、年齢が高くなるにつれてより“アプリストア自体の評価”や“メディアでの評価”に関する項目を重視するようになるということが分かります。
弊社シニアアナリストの西村友博は「今回の分析では、スマートフォン利用開始後、約4ヶ月でアプリのダウンロード意向が大幅に減少することが明らかになりました。通常、アプリは特定の目的に特化して提供され(例えば「動画視聴」や「地図閲覧」など)、それに対してスマートフォン利用者は自分の使い方に最も合ったアプリを選択します。今回の結果から、スマートフォン利用者はスマートフォンの利用開始直後に最も積極的にアプリを試し、0~4ヶ月の間に自分なりの使い方を確立している様子がうかがえます。これは別の言い方をすれば、一旦自分なりの使い方が確立されてしまうと、他のアプリが利用される機会は極端に少なくなるということが言えそうです。サービスを提供する側にとっては、アプリをより多くの人に使ってもらいたいと考えた場合、スマートフォンを使い始めて間もないユーザーへのアプローチは有効な手段となりそうです。一方で、スマートフォンを使い慣れたユーザーに対しては、性年代に応じてコミュニケーションを変えていくのが有効だと考えられます。
成長期のスマートフォン市場においては、利用人口や普及率などのマクロデータが注目されがちですが、企業がスマートフォンをマーケティングに活用する実際の現場においては、上記のような消費者像を想定した一層細かな分析が非常に重要になってきています。」と述べています。
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【ニールセン株式会社 会社概要】 *弊社は2012年7月1日、ニールセン株式会社に社名変更いたしました
会社名: ニールセン株式会社(旧ネットレイティングス株式会社) 英文社名: Nielsen Co., Ltd.本社所在地: 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-25-18 渋谷ガーデンフロント資本金: 1億円設立: 1999年5月代表者: 代表取締役会長兼CEO 福徳 俊弘代表取締役社長兼COO 武智 清訓主要株主 :ニールセン、 トランスコスモス株式会社 など
ニールセン株式会社(旧ネットレイティングス株式会社)はニールセン、トランスコスモス株式会社などの出資による合弁会社です。ニールセンの消費者視聴行動分析部門の日本法人として、視聴者分析、広告分析、ソーシャルメディア分析の3つのソリューションを通じて、お客様のビジネスにおける重要な意思決定を支援するデータ、分析、インサイトを提供しています。製品やサービス、及び分析結果のインサイトについては、広告主企業、メディア運営企業、Eコマース企業、広告会社より高い信頼性の評価をいただいております。ニールセン株式会社のサービス概要、及び会社概要は、https://www.netratings.co.jp/ でご覧いただけます。
ニールセンの消費者購買行動分析部門は、ニールセン・カンパニー合同会社です。
消費者調査、ショッパー調査、メディカルリサーチ、販売予測、マーケティングROI分析、コンシューマーニューロサイエンス分析、海外市場情報提供などを行っています。ニールセン・カンパニー合同会社のサービス概要、及び会社概要は、https://jp.nielsen.com/site/index.shtml でご覧いただけます。
ニールセンについてニールセン・ホールディングスN.V.(NYSE:NLSN)は世界的な情報・調査会社で、マーケティング及び消費者情報、テレビ等のメディア情報、オンライン情報、モバイル情報、トレードショーやそれに関連した分野でリーダー的地位を確立しています。アメリカ・ニューヨークとオランダ・ディーメンに本社を持ち、世界100カ国以上でビジネスを展開しています。詳細は、ホームページ(www.nielsen.com)をご覧ください。
ニールセン株式会社(旧ネットレイティングス株式会社)が提供しているソリューションと主な製品サービス
視聴者分析ソリューションインターネット視聴率データ Nielsen NetView、スマートフォン・メディア利用実態調査レポートインターネット基礎調査レポート Nielsen BasicReport など
広告分析ソリューションオンライン広告統計データ Nielsen AdRelevance、Nielsen AdRelevance EXpenditure広告効果分析サービス Ad Effectiveness など
ソーシャルメディア分析ソリューションソーシャルメディア分析サービス Nielsen BuzzMetricsソーシャルメディア分析ツール Nielsen My BuzzMetrics など
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本件に関するお問い合わせ先:ニールセン株式会社 広報担当 小宮山 聖花電話:(03)4363-4200e-mail: jpw_press@nielsen.com