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デジタル広告におけるフリークエンシーコントロールは正しく行えているのか?
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デジタル広告におけるフリークエンシーコントロールは正しく行えているのか?

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デジタル広告では、TV-CM以上に目的に合わせてフリークエンシーを考慮することが多いでしょう。例えば、「今回のキャンペーンは広くリーチさせたいから、フリークエンシーはできるだけ1回程度に抑えたい」という場合や、「一度サイトへ訪問した人に対して、リターゲティング広告を複数回配信して、購入につなげたい」という場合にフリークエンシーを考慮する必要が出てきます。このような場合、デジタル広告では、配信時にフリークエンシーキャップを設定することでコントロールしているケースが多いと思いますが、本当にフリークエンシーは正しくコントロール出来ているのでしょうか?

今回は、デジタル広告のフリークエンシーに注目して、”人”ベースで考えることの重要性について考えてみたいと思います。

~デジタル広告におけるフリークエンシーコントロールは正しく行えているのか?~
(ニールセン デジタル シニアアナリスト 高木 史朗)

フリークエンシーは正しくコントロールできているのか?
実態としては、正しくフリークエンシーをコントロールできていないケースが多いと考えられます。

理由は、現状のフリークエンシーコントロールでは、個人を識別する上で、AdIDやCookieなどの識別子を使用しているためです。1人の人が1つの識別子しか持っていないのであれば問題はありませんが、実際には一人の人が識別子を複数個所有しているケースが多いため、正しくリーチとフリークエンシーが計測できない場合が出てきます。

例えば、会社のパソコンでブラウザをIEやChrome、Safariなど複数個利用している人は多いでしょう。また、自宅のパソコンでも複数のブラウザを利用し、スマートフォンやタブレットでもブラウザやアプリケーションを利用している人も存在します。同じブラウザを使用していても、Cookieを削除して新しいものを使用しているケースもあります。仮にすべてのデバイスやブラウザで異なる識別子が使われている場合は、会社で2個、自宅PCで2個、スマートフォンで2個、タブレットでも2個、と合計8個の識別子を持っているようなケースも起きます。日本においては、デバイスの利用状況として最も割合の多いのは、パソコンとスマートフォンを利用しているケースです。この場合、最低でも3個前後の識別子を持っている可能性は高くなります。

このように、現状のフリークエンシーコントロールでは、先の例では、すべてのデバイスやブラウザ、アプリケーションで同じ広告を1回ずつ見た場合、実際には1人の人が8回同じ広告を見たにもかかわらず、8人の人が1回ずつ広告を見たこととしてカウントされることになります。つまり”人”ベースで計測していない以上は、正しくフリークエンシーがコントロールされていないケースも発生していると考えられます。

正しくコントロールできていないと、ブランドにとって大きな損失につながる
では、フリークエンシーが適切にコントロールされていない場合、どのような問題が発生するのでしょうか?

ブランディング目的で広告を配信するケースとダイレクトレスポンス目的で広告を配信する場合に分けて、どのような問題が起こるのか考えてみましょう。

【ブランディング目的】
ブランディング目的はシンプルなケースについて考えてみましょう。例えば、動画広告を300万人に3回見せることで、認知獲得を目的としていた場合(900万imp配信)を考えてみましょう。仮に、実際には個人がうまく識別できておらず1人あたり4.5回配信していると、リーチは200万人になります。1人あたり多くの回数配信されたことでより認知が高まる可能性はありますが、リーチは目的としていた300万人から100万人も不足してしまう結果となります。フリークエンシーが1.5回多くなったと聞くと影響が小さい印象がありますが、フリークエンシーが1.5倍になると単純にリーチは3分の2になるため、小さな問題ではありません。限られた予算の中で効果を最大化しようとした場合、適切にフリークエンシーをコントロールすることが重要であることがわかります。

【ダイレクトレスポンス目的】
ダイレクトレスポンス目的の場合、自社ECサイトへの流入数やECサイト内での購入数を目標数値としているため、フリークエンシーよりも1つのコンバージョンを獲得するのにかかったコストに注目することが多いでしょう。しかし、自社のECサイトに訪問したものの購入に至らなかった人に対して、再訪問を促すためにリターゲティング広告を配信する場合、配信対象者のうちに別のECサイトや実店舗で既にその商品を購入した人が含まれています。自社商品を購入してくれた人に対して何回も広告を表示させることは、広告の目的から外れた無駄な配信であり、場合によってはブランドのイメージを悪くしてしまう可能性もあります。そのため、購入に至らなかった人に対してリターゲティングする際には、ある一定のフリークエンシーキャップを設定することを検討する必要があります。このような点を考慮して、仮に1週間で5回までしか配信しない設定をかけていたとします。しかし実際には個人を正しく特定できていないために1週間で平均して20回配信されていたとしたら、既に購入した人に対しても想定の4倍の回数で広告を配信してしまうことになります。購入数などの目標数字が達成できれば問題ないと考える会社もあるかもしれませんが、目先の購入を追っているばかりに将来の優良顧客を失っているとしたら、中長期的にみてブランドにとって大きな損失につながります。

今回は、仮の設定で現状のフリークエンシーコントロールの問題点について考えてみましたが、ブランディング目的でもダイレクトレスポンス目的でも、実際にお客様と話していると、「”人”ベースで計測してみると、想定していたフリークエンシーよりも高かった」といった声はよく伺います。より良い顧客とのコミュニケーションやより効率的・効果的なキャンペーンを行っていくためにも、”人”ベースの計測結果を把握することで理想的なフリークエンシーに近づけていくことが、これからのデジタルマーケティングにおいて重要になるでしょう。