
2020年は日本の総広告費が2011年以来、9年ぶりのマイナス成長を示した、インターネット広告費は、消費行動のDX化が進んでいる中、消費者とのコミュニケーションのためにデジタルメディアを活用した広告主に後押しされ、成長を続けました。日本の広告費インターネット広告媒体 詳細分析」によると、2021年のインターネット広告費は前年比107.7%、1兆8,912円になると予測されています(出典:株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社D2C、株式会社電通、株式会社電通デジタルリリース ニュース 2021年3月10日)。
一方、デジタル広告が出稿する広告主が増えていくにつれ、消費者の関心を引くことが今まで以上に困難になっていくでしょう、例えば、あるブランドが競合と同じデジタル広告を掲載し、出稿量がその競合より少ない場合、そのブランドの広告が消費者にみつかってしまう「埋もれてしまう」リスクが考えられます。
差別化を実現するには、競合の状況を把握することが必要です、まず、出稿量について考えてみましょう、広告プランニングの際に、広告出稿のゴールとして期待される売上高から逆算し、広告接触態度によって変容を起こさせる消費者の目標人数を決め、さらに広告出稿の目標リーチを設定し、それを実現するためのインプレッションを計算する方法はありますしかしながら、最低出稿量は出しても関わらず、目標を達成できないケースが出てきます、その要因として本ラムの後半に言及されているクリイティブが影響しているか、競合他社出稿量が影響しているかケースでもあります特に競合が待ち受ける業界、これらの、コモディティ化して消費財や多くの参入キャンペーン一斉に行っている
- 競合の出稿量は把握できているか
広告の世界では・シェア・オブ・ボイス(ソフ)という指標を広告出稿量を決める際の判断材料として利用することがあります。これは、広告の絶対量ではなく、同じカテゴリーにおける競合ブランドの出稿量と自社比較ブランドの広告出稿量を決めるという考え方に基づいている指標です。ソフの複数の考え方には、ここでは広告投資の観点から、広告費のソフにフォーカスしたいと思います。
対象ブランド広告費/全体広告費=広告費のソフ あるいは、自社ブランド出稿量(インプレッション)/インプレッション量=出稿量のソフ
マーケティングファネルに沿って考えると、ブランドのソフが高ければ、そのブランドの広告が消費者の目に留まり、ブランド消費者に認知してもらう、さらに消費者の間で変容を引き起こす可能性が高まると考えられます。
また、広告主はより包括的に消費者とコミュニケーションを取るために、多くの場合はブランドごとに複数の広告フォーマットで複数のメディア、チャンネルに広告出稿します。そのため、実際には競合他社のソフとの奪い合い、会社レベルだけではなく、メディア別やカテゴリー別、ブランド別デバイスなど粒度の細かいレベルで起こっている場合が多く見られます。
2.競合のクリエイティブを把握するのも重要
ブランドが競合する他社の広告と差別化、消費者の目に止まるには、出稿量だけでなく、クリエイティブの質も重要です。差別化を図るためには、他社が競合するフォーマットで消費者にどのようなメッセージを伝えているのかを知る必要があります。消費者は広告のメッセージを含めて、日々大量の情報に接触しています。
最後に
前述のように、今後もデジタルで広告を出稿するブランドが増えていくことが予測され、デジタル広告のマーケットにおけるソフの争いが一層激しくなる。
また、マーケットは常に変化していくものであり、ブランドは一時的な広告出稿の状況だけであり、常に粒度の細かいレベルで競合や自社ブランドのカテゴリーにおける広告出稿の状況を統計サービスを利用してモニタリングしておくこと、競合広告の変化や自社ブランドのカテゴリーに新しく参入してきたプレイヤーの状況をいち早く把握し、自社の広告出稿で適切な対応することができること。