年明けの全豪オープンテニスのグランドスラム、スーパーボウル、クリケットのワールドカップの開催を前に、スポーツとその関連ビジネスのニュースが新聞の第一面をにぎわせている。
スポーツ・スポンサーシップにより、数百万人にのぼる潜在的な消費者の前に数々のブランドを露出することができる。スポンサーシップによる投資において各ブランドは適切な戦略を立案し、ROI(投資回収率)を効果的に測定することが求められている。
一流のスポーツイベントには、ユニフォームのデザインから競技場の命名権に至るまで、企業は数百万ドルに及ぶ投資を行うこともある。スポンサーシップが滞りなく達成されれば、マーケターは膨大な数の観衆に対してブランドを見せることができる。FIFAワールドカップの場合、その数は10億人にまで上る。投資最大化で最も重要なことは効果的な測定を行うことである。
各段階における機会
アジア太平洋地域のスポーツ・スポンサーシップ市場の見通しは良好だ。中長期的に健全な成長が見込まれ、各ブランドはその機会に乗じスポーツ・スポンサーシップへの投資に対する多大なリターンを得ることができるであろう。
プライスウォーターハウスクーパースは、2014年にはアジア太平洋地域の市場価値は単独で120億米ドル以上に及び、全世界のスポーツ・スポンサーシップ費用の約450億米ドルの4分の1以上を占めていると予想している。*
ニールセンは、スポーツ・スポンサーシップを既存のマーケティングの戦略や目的に合致させること、適切なイベントを判断し適切な観客にリーチする方法、および観客とより強力な関係を築く方法、効果的な測定方法の重要性について調査している。
• 広範な事業計画との合致
あらゆる新規の投資はすべて既存の事業目標、およびより広範な事業目標に調和するものである必要がある。スポンサーシップの目標は時間の経過とともに変化するものであるため、マーケティングチームは少なくともリーチ(reach)、レゾナンス(resoance)(すなわち、消費者が(広告を見た後にブランドへの)認識をどう変えたか)、リアクション(reaction)を含む測定方法の分析を検討する必要がある。
• 適切なイベントを見つける
スポーツ競技の観客は感情的な強い共感をもっており、その観客は重複している可能性がある。スポンサーシップが実際にリーチする観客を特定し、リーチがより困難な消費者グループ向けの戦略を強化することが求められる。また、観客が変化したり成熟することにより長期的なスポンサーシップの実施に影響が生じることがある点に留意する必要がある。
• 効果的にリーチする
スポーツイベントは広範な層の関心を呼ぶものであるため、市場の細分化を行い、メッセージの伝達にテクノロジーを活用することが重要である。
• 長期的な印象付け
試合中の観客とのインタラクションも重要だが、長期間にわたって良好な印象を築くことが最終的な目標であるべきだ。スポンサーシップに関連する活動は、スポーツイベントの位置づけと理想を反映した良好なリアクションを呼び起こすものでなければなりらない。例えば、テクノロジーや音楽が観客の経験にいかに良い効果をもたらすかを検討する必要がある。
• 測定およびレビュー
投資効果を測定する際には、ブランド全体ではなく、可能な限り常に観客の中心層をターゲットとする確実性の高い指標に焦点を絞る。それによりROI測定時により正確な結果を得ることができる。
*PwC Changing the Game:2011~2015年のグローバルスポーツ市場の見通し
本稿に含まれる洞察はニールセンのスポーツ・スポンサーシップ ホワイトペーパー「金を目指せ: スポーツマーケティングで勝つための5つの戦略(Going for gold:Five strategies to win at sports marketing)」からの抜粋です。日本語版レポートを現在準備中ですので、ご関心のある方は以下のメールアドレスまでご一報ください。
JPNwebmaster@nielsen.com