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アジア太平洋地域のZ世代の行動につながるメディアとメッセージとは?

1 minute read | ニールセン デジタル アナリスト マ・ピンチュアン | January 2022

アジア太平洋地域(以下、APAC)は世界人口の約5割を占め、グローバル企業が注目する市場ですが、その人口の約2割をZ世代が占めています。成人期を迎えるZ世代は、今後消費活動における影響力が大きくなっていくにつれ、APACに進出する企業のブランド担当者は、タイムリーに正しくAPAC 各市場のZ世代の行動や意識を把握することが重要になっていくでしょう。Z世代には、数多くのメディアを使いこなし、様々な情報にアクセスできるといったような市場を超えて共通している特徴があります。一方、現地の言語や、社会環境、文化などの要素から影響を受けて形成されたユニークな特徴も伺えます。そのため、進出先市場のZ世代とのコミュニケーションを設計するにあたり、共通して見える特徴を俯瞰するほか、市場別のZ世代が持つ広告に対する意識や共感しやすいメッセージなども把握できると、有効なコミュニケーションにつながるでしょう。

今回の記事では、消費者の広告や情報に対する信頼度調査「ニールセン 広告信頼度調査2021 (Nielsen Trust in Advertising Study 2021)」の結果をもとに、APACのZ世代の広告に対する意識と、彼らと有効なコミュニケーションを取るうえでの重要なポイントをご紹介します。

インフルエンサーやSNSからの情報がAPACのZ世代の行動を起こすきっかけとなる

各市場おいてデジタルメディアの普及し始めた時期は異なりますが、Z世代の多くにとっては、生まれたときにはスマートフォンや、SNSサービスをはじめとしたデジタルメディアが流行り始めていました。そのためZ世代は、ミレニアル世代よりもSNSに長い時間を費やし積極的に発信しているため、こうしたアーンドメディアからの影響を受けやすいと考えられます。

実際、このようなZ世代共通の特徴と広告や情報に対する意識は、APACのZ世代でも見られました。前述の調査によると、行動を起こすきっかけとして、APACのZ世代では、「友だちや家族からの勧め」に次いで、「インフルエンサーマーケティング」が2位にランクインし、「口コミ」や「ソーシャルネットワーク」もTop5にランクインしていました。この世代が周りの経験、口コミを参考にして、さらにインフルエンサーの影響を受けて行動に移している様子が見受けられます(図表1)。このようにブランド担当者は、APACのZ世代とコミュニケーションをとる際に、メディアとしては「インフルエンサーマーケティング」やSNSなどのメディアを活用することが不可欠であると言えます。

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共感されやすい広告メッセージはAPAC各市場によって異なる

ブランド担当者がターゲットとコミュニケーションをとるにあたり、消費者にとって共感できるコンテンツを活用することが重要です。ただし、冒頭で言及したように、消費者の意識は生活している地域によって様々な影響を受けているため、共感できる広告メッセージも、同じZ世代であっても市場によって特徴が異なる場合があります。

実際に、前述の調査によると、APACのZ世代全体では、「実生活の場面に基づくもの」が最も共感される広告メッセージとなっていましたが、市場ごとに見ると結果は異なっていました。オーストラリアのZ世代では「ユーモラスなもの」、「実生活の場面に基づくもの」が共感できる広告メッセージとして上位に上がっていました。一方、韓国と台湾のZ世代は「価値を重視したもの」を最も共感できると答えていました。さらに、最近のNetflix上のヒット作「イカゲーム」の舞台になった国、韓国では、「競争優位性を表す」広告メッセージも共感されるものとして上位に上がっていました。ブランド担当者は、固定概念で各市場の消費者をひとくくりにして見ずに、進出先のターゲットの特徴を把握するとよいでしょう。

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最後に

今後、Z世代の購買力が高くなっていくにつれて、消費活動におけるこの世代の影響力もより大きくなっていくと考えられますので、APACに進出している日本企業にとって、この地域のZ世代とコミュニケーションを取る必要性が一層高くなっていくでしょう。この記事でご紹介したように、APACのZ世代は共通してアーンドメディアから影響を受けやすいといった特徴のほか、それぞれの市場でしか見えない広告や情報に対するユニークな意識も持っていますので、マーケターはターゲットに関連した情報を正しく把握したうえ、進出先のZ世代とのコミュニケーション設計に臨むとよいでしょう。

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