Z世代とシニア世代のスマートフォン利用動向

日本において、デジタル広告費がテレビ広告費を上回ることから3年が経ちましたが、デジタル広告は消費者とのコミュニケーションを取るための様々な機会を提供する一方で、マーケターが解決すべき課題も多くあります(出典:「2021年 日本の広告費」株式会社電通ニュースリリース 2022年2月24日)、これまで、デジタル広告を配信する上で、サードパーティークを活用したターゲティングが主流でしたが、クッキーレス化が進む中、ターゲティング設定やリーチ・フリークエンシーをコントロールすることはますます困難になっています。
スマートフォンの利用は65歳以上の消費者が増加していることから、シニア世代とコミュニケーションを取る手段として、デジタルの重要性が高まっています。
デジタル広告を配信する上で、SNSや動画サービスなど幅広い年代に利用されているメディアを中心的に活用しているマーケターも多いのではないでしょうか。つまり、アプリから使用されることの多いメディアのみが、メディアプランに含まれている場合、シニア世代にリーチする貴重な機会を失っている可能性があることを意味します。

メディアを選定する際には、各メディアが発表している資料を活用してメディアプランをたてることが多いのではないでしょうか。
実際に、デジタルネイティブであるZ世代がスマートフォン利用時間の大半を「エンターテイメント」やSNSなどが含まれる「サーチ、ポータルとコミュニティ」に費やし、それぞれのスマートフォン利用時間の43%、24%を占めています。

また、キャンペーンの目的によっては、効率的にターゲットにリーチするだけでなく、エンゲージメントを高めることが可能なメディアを選定することも重要になります。
利用者数5位のサービスを年代別に見ると、「Google」、「LINE」、「YouTube」、「Yahoo 日本」がどの年代でも上位に含まれていますが、各年代が特徴的に利用しているのは、「Zenly」、「Discord」、「pixiv」などのサービスを利用する傾向がある一方で、シニア世代では、ニュース関連サービスが上位にランクインしています(図表3)。

このように比較可能なオーディエンスデータを活用して、ターゲットとして消費者の特徴やどのようなカテゴリーに時間を費やしているのかを把握することで、より効果的にコミュニケーションを取り、ブランドの価値を高めていくことが可能になります。
サードパーティークッキーが段階的に廃止されるにつれ、マーケターはサードパーティークッキーを活用したターゲティング依存から脱却するために様々なアプローチをとる必要があります。その一つの方法として予約型広告を活用するマーケターも増えていますが、それを効果的に活用するためには、各メディアのオーディエンス特性を把握することが重要になります。