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リセッション環境下のマーケティング:景気後退のプラス面を見い出す

5分で読む|2022年9月

ブランドや広告主はポストコロナで以前のリズムを取り戻しつつありますが、今度は世界的な景気後退(リセッション)という形で、再び大きな混乱に直面する可能性があります。60%のエコノミストがユーロ圏の景気後退を予測し、世界の成長率年初の4.6%から2.9%に落ちると予想されていることから、経済の減速は避けられないと考えられています。 

また、消費者がインフレや金利上昇に適応するために支出を調整する中、多くのブランドや広告主もそれに追随しています。ニールセン Ad Intelのデータによると、米国の広告市場は2022年第2四半期に前年同期比で7%縮小し、多くのマーケターが予算削減を見込んでいるか、すでに予算削減を経験していることを示しています。 

短期的な予算削減のためにメディア費用を削減することは理にかなっているように思えるかもしれません。しかしながら、マーケターは景気後退の影響を最小限に抑えつつも、今後のリカバリーのためにマーケティング予算の効果を最大化することに重点を置き、そのための費用を投じる必要があります。

景気後退は永遠には続かない

歴史的に見ると、不況の75%は1年以内に終わり、30%は2四半期しか続かないことを示しています。つまり、支出を削減しても、それは短期的なもので、名目上の節約にしかならない可能性が高く、ブランドや広告主は、すぐそこまで来ているであろう回復期に向かって不利な状況に置かれることになります。 

ブランドの多くは既に支出不足の状況であることがわかっています。ROIが中央値で50%低下していることを考えると、メディア費用をさらに削減することは、ROIをさらに低下させることにしかならないと考えられます。 

解決策は、予算を削減することではなく、メディアミックスを最適化し、よりパフォーマンスの良いチャンネルに投資することです。そして適切なバランスを見つけることで、リーチ、効率、頻度に応じた適切な費用配分を行うことができます。例えば、ある自動車メーカーは、予算を削減することなく、メディア配分を最適化しただけで、リーチを26%、インプレッションを39%以上増加させることに成功しました。 

不況時には広告の需要と供給のバランスに変化が生じ、広告の価格が若干下がる傾向にあり、この時期に広告を展開することはブランドにとって予算を節約することができる可能性もあります。実際に一部のブランドは、不況時にメディア投資を増やしています。コスト面でより有利な環境であることに加えて、競合他社がこぞって広告を縮小している状況で、自社のキャンペーンがより大きな効果を発揮する機会を得ることができるでしょう。

不況下でも成長は可能

不況の影響での売上低迷を考える前に、ブランドは状況をいち早く把握し、消費者の行動を注意深く観察し、消費パターンの変化を見極めることが重要です。不況時の消費者行動の例として、価格の高い贅沢から、より安い贅沢を選ぶ消費習慣の変化は、口紅のような特定のカテゴリーでは成長の機会につながることがわかっています。一方で、レストランやホスピタリティなどのカテゴリーにおいてこのような消費習慣はネガティブに働くことになります。 

そして、消費者が価格に敏感になればなるほど、ブランドはそれに合わせてメディアプランとメッセージングをアレンジしていく必要があります。不況に強いメッセージは、ブランドの価値を向上し、不況を越えて消費者のロイヤリティを獲得するのに役立ちます。

不況時でも、潜在的な成長を求めるブランドや広告主にとって、消費者行動の分析に重点を置き、メッセージを最適化することで、広告費の効果を高めることが大切になります。

予算削減において正しい選択をする

時には予算の削減は避けられない場合があります。ここで重要なのは闇雲に予算調整を行うのではなく、適切なエリアのコストを削減することで、ROIへの悪影響を最小限に抑え、残った予算を最大限に活かす方法を検討する必要があります。 

また、メディア支出を抑えることは、コスト削減と財務目標達成のための明白な方法のように思えるかもしれませんが、その効果は相対的に低い場合があります。ニールセンのメディアプランの調査では、ROIを最大化するために必要なメディア支出が「多過ぎた」ケースはわずか25%で、その中で、支出過多となった額の中央値は32%でした。この場合に支出を減らせばメディアのROIは4%ほど改善されますが、ブランドは広告主導の売上も減少するため、販売量も大幅に減少してしまいます。

また、消費者の支出が減少しているときには、販売促進のプロモーションを強化したくなるかもしれませんが、この方法にも課題があります。定期的に行われるプロモーション(値引きキャンペーンなど)は、消費者がそのプロモーションが実施中の時だけに購入しようと思わせ、それによって通常価格の商品の売り上げ減少やマージンの圧縮につながる可能性があります。ニールセンのマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)ではプロモーションのROIはメディアよりも45%低いことがわかっています。プロモーションによる、本当の意味での売上増加はごく一部であり、さらにマージンを補うためにプロモーションによる売上をもっと向上する必要があるためです。

販売促進に依存するのではなく、ROIへの影響を最小限に抑えながら、どのメディアを削減または縮小できるかを検討する。あるチャネルの結果がすでに芳しくない場合は、そのチャネルを完全にカットし、より良い指標と高いROIが期待できるチャネルに費用を再配分する方がよいかもしれません。 

どのようなメディアミックスと予算配分を最終的に決定するにしても、全く費用をかけないという選択をするよりは良い結果が得られます。ニールセンのマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)の調査では、広告展開を完全に停止したブランドは、四半期ごとに長期的な収益の2%を失い、たとえ広告を再開しても、停止期間から生じた損失を回復するには3~5年かかるということがわかっています。また、データによると、マーケティング活動はブランド・エクイティの10%から35%を占めていることを示しており、マーケターはこうした影響を鑑みた上で決断を行う必要があります。

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