ラマダンとそれに続くハリ・ラヤ・アイディルフィトリ(ラヤ)の祭典は、イスラム教徒との関わりを求めるブランドや小売業者にとって重要な広告機会であるが、そのタイミングが適切である場合に限られる。
ラマダンやラヤの時期は通常、広告主の数や広告費が増加するため、ブランドが群衆から目立つことが難しくなる。例えば、5月6日から6月4日にかけて行われた2019年のラマダン期間中、広告主数は前月比で6%増加し、広告費は20%増加した。
期間中に消費者の行動やスケジュールがどのように変化するかを考えると、消費者がテレビ番組に最も夢中になる時間帯も拡大する。こうした変化を見極めることができれば、小売業者や広告主が広告費を最大限に活用できるようになる。
テレビ視聴に影響を与えうる行動の変化
ラマダン期間中にイスラム教徒の習慣が変化することは周知の事実であり、こうした大きな変化によって、イスラム教徒がテレビ番組に最も夢中になる時間帯がずれる可能性がある。注目すべき行動の変化をいくつか紹介しよう:
- 早起きしてサハールへ
- 午前5時30分から午後7時30分までの断食
- 夜のイフタールに参加する(複数の場合もある)
- タラウィの追加礼拝の実施
- その他の宗教活動に参加する
- 慈善活動により多くの時間を割く
- 全国の家族や友人を訪問
こうした変化を踏まえると、小売業者や広告主は、イスラム教徒がいつテレビにチャンネルを合わせるかを意識して、自分たちのメッセージをできるだけ多くの視聴者に見てもらえるようにする必要がある。
広告のタイミング
プライムタイム(午後6時~11時)は、イスラム教徒の消費者にリーチするための重要な時間帯であり、一般的に言って、ラマダンやラヤの期間中もそれは変わらない。しかし、この時間帯の消費者行動の変化は、伝統的に視聴が多い時間帯のリーチに影響を与える。
ラマダンとラヤ以外では、テレビ視聴は午後6時から10時30分の間に徐々に増加する。しかし、ラマダン期間中は、視聴は午後7時30分にピークに達し、その後、人々が断食を解き、タラウィ礼拝を行うにつれて6%前後減少し、午後9時30分から11時の間に回復する。
視聴率はプライムタイムを通じて高いままだが、ラマダンとラヤの真の効果は、イスラム教徒がサハールのために起床する早朝に見られる。重要なのは、ラマダン期間中の午前5時から6時の間は、テレビ視聴がラマダン前の同様の期間に比べ451%も急増するため、広告主にとっては絶好のエンゲージメント機会となることだ。ラマダン期間中、リーチは100万人以上のマレーシア人に拡大する。
方法論
この記事からの洞察は、以下から得たものである:
- ニールセン・テレビ視聴者測定
- ニールセン広告インテル